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食事支援ロボット「マイスプーン」

今月11月6日から「HOSPEX Japan」というイベントが
東京ビッグサイトで開催されている。
日本医療福祉設備協会と日本能率協会の主催。

「ヘルスケア新時代を支えるもの−空想から現実へ−」

が今年のテーマということだが、
「医療福祉関連のロボットプラザ」
という企画展示コーナーが注目を集めている。

「自立支援ロボットコーナー」
「介護支援ロボットコーナー」
「リハビリロボットコーナー」
「癒しロボットコーナー」など、

いろいろな福祉ロボットの
デモンストレーションが見られるそうだ。

その中でも、
セコムの食事支援ロボット 「マイスプーン」

の話を聞いたときは、

う〜むと、考えさせられた。

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このロボットはごはんやおかずをつかんで、
手足の不自由な高齢者や患者や障害者の口元まで
運ぶ機能があるという。

ご飯やおかずの取り方(運び方も含む)は
利用者の状態に応じて
自動、半自動、手動の3種類のモード
を選択できる。

手動や、半自動の場合は、
手やあごで動かすレバーでスプーンを操作する。

→いったいどんなスプーンだろう?

 スプーンだけで全ての食べ物をすくえるとは思えないが。。。

 小学校や中学校の給食で、
 スプーンで食べるときの不便さを思い出して欲しい。

 (最近は、箸になったのかな?)

 スプーンは、カレーなどのやや液状化した
 食べ物をすくうのには向いているが、
 固形物(どろどろでは無いという意味で)
 をすくうのには向かない。

 皿の上をコロコロ転がってしまって
 無理にすくおうとすると、押されて皿からこぼれ落ちてしまう。

 だから、給食で食べるときに使うスプーンは
 固形物を突き刺して食べられるように、先が割れているのだ。

 もっとも、
 こんな乱暴な食べ方は教育上良くない、
 日本人として恥ずかしい
 ということで、

 最近はできるだけ箸を使って食べるように
 小学校などでは指導していると聞いている。

さて、食事支援ロボット「マイスプーン」が
先割れスプーンを使用してる可能性を考察してみよう。

物を突き刺すという単純動作だけならば、
ロボットでも可能だ。

しかし、突き刺す対象を特定し、その中心に刺すという動作は、

物体の存在の自動認識、
物体の位置(座標)の把握
物体の中心位置(座標)の把握
物体を突き刺しきった(更にスプーンが到達した)ことの感知

など、かなり高度な機能が要求される。

それらを、実現するロボットだとしたら、
もうそれは、
スティーブン・スピルバーグの映画「AI」の世界の話だ。

セコムは 「世界初の食事支援ロボット」というふれこみで、
来春の商品化を予定しているということだが、
市販するからには、販売価格は、1台せいぜい数百万だろう。

それ以上になると、人を雇った方がコストが安い。
ということは、考えられるとすれば、
「マイスプーン」は
普通の「スプーン」で普通にすくえるものしか食べさせない

という前提で設計されていると考えられる。

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なお、この「マイスプーン」は
粥など柔らかい食べ物はうまくすくえないので、
嚥下機能に障害がある人には向かないという。

これにも、疑問を感じる。
粥をすくえないスプーンとはいったいどんなスプーンだろう?

普通、お粥を食べるときは、
スプーンを使うんじゃないだろうか?

粥をすくうのにスプーンほど最適な器具は無いと思うが。。。
ロボットとしても、 粥をすくう動作はそれほど難しくないはずだ。

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最後に、 そもそも、ロボットに食べさせられることを
人はどう感じるだろう?

赤の他人に食べされられるよりは、
はずかしさを感じなくて済むかもしれない。

特にプライドの高い人などはそうだろう。

逆に、ロボット(機械)に食べさせられることの方を
屈辱に感じる人がいるかもしれない。
特に高齢者はロボットに対して嫌悪感を持つかもしれない。

しかし、食事だけではなく、介護全体について考えてみると、
特に介護などでは、恥ずかしさを伴うので、
今後ロボットの需要が高まる可能性は高い。

汚物を処理してもらうなら、
感情を持たないロボットに対しての方が、
世話を受ける方としては恥ずかしさを感じなくて済むからだ。

また、入浴時などに人を持ち上げるのは重労働だ。
その為に腰を悪くしてしまう介護者も多い。

食事のような細かい作業よりも、
こういった、力を使うような作業を行うロボットの方が
まずは、需要が多いだろう。

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さて、私の場合、食事の補助や介護してもらうとしたら、
ロボットと人とどちらを選ぶだろう。

現在のロボット技術を考えると、
残念ながら、「ロボットによるケア」には限界がある。

「人によるケア」の方が遥かに細かい作業が可能なので、
「人」を選ぶしかないのだ。

しかし、将来、ロボット技術が高度に発達し、
人間並の動作が可能になれば、 きっと、ロボットを選ぶだろう。

早く、そんな時代が来て欲しいものだ。

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<2002年4月27日加筆>

2002年4月27日の朝日新聞によると、
セコムは5月より 、この「マイスプーン」を発売するそうだ。

「食事支援ロボット」の販売は国内初で、
主に社会福祉施設向けに、38〜43万6千円で販売。

また、身体障害者の個人向けにはレンタルとする。
レンタル料金は、
1年契約の場合、2万2600円〜2万4900円/月。
5年契約の場合、6100円〜6600円/月。

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流音弥
2001年11月10日初稿
2002年4月27日加筆

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