法の下の不平等−保釈保証金制度
12月26日、 約2億1千万円を脱税したとして、
法人税法、所得税法両法違反で起訴された
野村沙知代被告(69歳)が、
12月27日、保釈保証金5千万円を現金で納付し、
同日に、東京拘置所(東京・葛飾区小菅)から釈放された。
野村沙知代は、12月5日に、
同容疑で逮捕され拘留されていたので、
結局23日間の拘置所生活を経験したことになる。
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保釈とは、
身柄を拘束しなくても裁判の目的が達成される場合、
一定の保釈保証金の納付を条件に
被告人を拘束状態から解放(釈放)する制度だ。
保釈中に逃亡したり証拠隠滅をはかると、
当然 保釈保証金は没収される。
原則として
被告から保釈請求があり、
保釈保証金を納付することができれば、
裁判所は必ず保釈を許可しなければならない。
また、例外として、
請求がなくても裁判所が保釈することもある。
保釈されても、完全に自由になった訳ではない。
海外旅行は禁止、
国内旅行も3日以上は裁判所への届け出が必要。
それでも、自分の住み慣れた家で、
普段通りの生活を送ることが可能であり、
拘置所よりもはるかに快適な生活であることには
間違いないのだ。
保釈保証金の額は、
裁判所が犯罪の軽重や被告の経済状態などの事情を考慮して、
逃亡や証拠隠滅を防ぐ効果があると判断されるような額を
決定する。
窃盗罪、詐欺罪などは起訴事実を基準にして
保釈金額が設定される。
例えば、1000万円の窃盗容疑の場合は
それに近い金額の保釈金額となる。
通常、保釈保証金は「保釈金」と縮めて呼ばれることが多い。
新聞などで、「保釈金」ではなく、
わざわざ「保釈保証金」と記述しているのは、
ただ「保釈金」だと、お金を積めば保釈してもらえる
というイメージを避けるためだろう。
もっとも、呼び名を変えても、実際は、
お金を積めば保釈されることに違いはない。
そう、紛れもなく「保釈金」なのである。
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保釈金と言えば、
子供の時にテレビで耳にした、
「田中角栄・元首相が2億円の保釈金を支払って保釈された」
(↑ロッキード事件における5億円の受託収賄罪)
というニュースの「保釈金」のイメージが未だに強い。
1976年の事で、まだ、私が小学校低学年の時のことだ。
日本の総理大臣ともあろうものが、
(総理大臣がエライ人で重要な立場であることは理解していた)
悪いことをして逮捕されたにも関わらず、
大金を支払って解放(保釈)される理不尽さに対して、
子供心ながら、憤りを覚えた記憶がある。
ああ、どんな悪いことして逮捕されても
お金さえ払えば自由になれる国なんだ。
お金で全てが解決できるんだ。
日本は。。。
おそらく、私の拝金主義は、
この時、芽生えたに違いない。
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さて、サッチーの今後だが、
延滞税や重加算税、地方税、延滞金など
約4億〜5億円を納めなければならないそうだ。
また、初公判は来年2月頃とみられており、
刑法学者によれば、
「公判中に税金や延滞金を納めれば、
判決には執行猶予がつき、
罰金も2000万から3000万円程度で済む」
という。
納めなければ実刑判決が下るそうだが、
恐らく、さっさと支払うに違いない。
5千万円の保釈金、
4〜5億円の税金、
2〜3千万の罰金という額は、
普通の人にはとても支払えない額だが、
彼女が経営する
コンサルタント会社「ノムラ」
運動用具輸入販売会社「デイーアンドケイー社」
でせっせと蓄財した貯金と
(おそらく数億円に上ると思われる)、
東京・世田谷区玉川田園調布にある豪邸
米国ビバリーヒルズにあるタウンハウス
を処分すれば、
簡単に納付でき、なおかつ、
その後も贅沢な暮らしができるだけの財産が残るはずだ。
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それにしても、
保釈金の5千万円を現金でポン!と支払えるという
金銭感覚というか、
それだけのお金を持っているという感覚が
残念ながら私にはとうてい理解できない。
ある意味で、それが非常に悔しい。
宝くじで1億円当たった人が、
札束を家に持ち帰って、床に敷き詰めてその上で寝た
という「ほほえましい」記事を読むとほっとする。
裕福な家庭で育った訳では無いので、
お金に対する執着は人一倍ある。
お金の亡者と言われたとしても、
逆にそれを誇りにさえするかもしれない。
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最新の報道によると、
野村沙知代被告は今後、
文筆業に取り組む可能性が高いそうだ。
さすがに、テレビ番組には、
しばらくの間は出演できない(声がかからない)と思われるが、
文筆業ならば、
人に会わず自分の考えを主張することができる。
自尊心を傷つけられることも無い。
名前は世間に知られており、今回の逮捕という話題性から、
当然、本はそれなりに売れるだろう。
(買う方も買う方だが。。。)
彼女の脱税の動機である「老後の心配」も無くなる。
まさに一石二鳥だ。
逮捕前に、すでに処女小説をほぼ書き上げていて、
小説のタイトルは「老愁記」。
プロ野球チームの監督夫人の半生を描いたもので、
野村沙知代被告の自伝小説といえる。
おそらく、今回の逮捕劇や拘置所生活についてさえ
生々しい体験として赤裸々に小説上で明らかにするに違いない。
それにしても、
自分の挫折(犯罪)さえネタにして、
お金儲けにつなげてしまおうとする、
彼女の「お金」へのただならぬ執念。
私は、共感さえ覚える。
それは、私が、
彼女と同じ種類の人間だからなのかもしれない。
もっとも、彼女のようにずさんな脱税は
マネするつもりは無い。
世間では、合法的に上手に脱税することを「節税」と呼ぶ。
彼女は、その点で余りにも無知で無防備過ぎたのだ。
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サッチーの世直し人生相談
http://kodansha.cplaza.ne.jp/information/s_nomura/
野村沙知代による、インターネットでの人生相談の受付と回答。
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流音弥
2001年12月30日







