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これが日本の生きるみ〜ち〜♪

読売新聞によると、
島津製作所は12日、
ノーベル化学賞の受賞が決まった
研究員の田中耕一氏(43)の処遇について、
「役員待遇」などへ大幅に昇格させる方針を明らかにした。

特別褒賞金も支給するという。

田中氏は、現在、課長級よりも下の主任で、
研究成果に対する褒賞金も
ほとんど支給されていなかったそうだ。

おそらく、ノーベル賞の受賞が無ければ、
今後もしばらくは、主任のままだっただろう。

ノーベル賞を与えられるほど
世界からの評価が高いにも関わらず、
主任程度の評価しか与えられていないというのは、
企業の人事評価が
いかにあてにならないものであるかを示している。

まず第一に、
人を評価する側の人間に能力が無ければ、
正当な評価などできない。

人事部の人間は人事のプロではあっても、
各社員の業務について詳しい知識を持たないので、
その社員がどれだけ優秀で
どれだけ会社に貢献しているか分からないからだ。

第二に、そもそも研究者・技術者は
会社の金で研究しているのだから、
成果を出して当然。
特許も会社のものだ。
という傲慢な考えが企業では一般的だ。
その結果、会社に貢献した研究者であっても、
意外と低い役職、低い賃金に甘んじていることが多いのだ。

先の青色ダイオード訴訟も記憶に新しいが、
とにかく、研究者・技術者は
日本では使い捨ての駒に過ぎない。
少なくとも、従来はそうだった。
どんなにがんばって研究しても
その成果は全て会社に取り上げられてしまうのだ。

会社に労働を提供して、賃金をもらうという点では、
他の職種と変わらないじゃないか?
という人もいるかもしれない。
労働形態としてとらえればそうかもしれないが、
大きく異なる点がある。

それは、「創造と発見」である。
右から左に片付ければ済むような仕事とは
全く異質の業務なのだ。
新しい研究成果・技術による発明は、
企業の発展の推進力となる大事なものだ。
極端なことを言えば、
他の仕事など誰でも取替えがきく。

会社側は、
田中氏が研究に没頭したくて、
これまで昇格に消極的だった
と弁明しているが、
実際は、それをいいことに低賃金で働かせていた
というのが実情だろう。

また、人事制度の問題もある。
日本では、研究職は若いうちだけで、
年齢が高くなると管理職への異動が命じられる。
それを拒否していると会社に居づらくなる。

研究が生きがいの研究者にとっては、
管理職になって、雑務に追われること程、
嫌なことは無いだろう。

もちろん、企業としては、
成果を殆ど出していない無駄飯食いの研究員を
ずっと抱えていくのは非合理的だが、
年齢が高くなったからといって
研究職から外すというはどうかと思う。

日本の企業の一研究者がノーベル賞を受賞したのだ。
おそらく、日本全国を探せば、
他にも埋もれている優秀な研究者が大勢いるに違いない。
また、それにも関わらず、
管理職への異動を強要されて
研究を断念せざるを得ない人もいるだろう。

現在、日本の経済は停滞どころか混迷している。
そもそも日本は「技術立国」として発展してきたはずだ。
一時期、バブルによって日本は、
金融立国であるかのような錯覚をしてしまったが、
ここは、もう一度、「技術立国」の視点に立ち戻るべきだ。

その為には研究者や技術者が研究・発明に没頭できる
働きやすい労働環境や制度を整備することだ。

研究成果や発明に対して
高額な報奨金を出す制度を作った企業の記事を、
最近目にすることが多い。
だが、記事になるということは、
それがまだ一部の企業であり珍しいことだからだ。

・優秀な人材集めの為の宣伝
・人材流出の引き止め策
・企業イメージのアップ

など、企業が得られるメリットも大きいはずだが、
多くの企業で環境が整備されるのには、
まだまだ時間がかかるに違いない。

先日、あるビジネス雑誌で、
日本の造船業が工程の自動化によって
復活を遂げつつあるという記事を目にした。

日本が生き残るには、まさしくこれだと思った。

労働コストの低い中国やアジアと、
技術的に追いつきつつある台湾や韓国とは、
同じ土俵で競争するのではなく、
より高度な技術力で勝負するのが、
一番賢いやり方であり、
実際、それしか残されていない。

また、従来、欧米から立ち遅れていたとされる
基礎研究に力を入れなければ、
基礎研究に関する基本特許を全て先取されて、
技術特許を取得する際の足かせとなることは間違い無い。

単なる「技術立国」から、
高度な技術を兼ね備えた
技術・研究立国ジャパン」 となること。

これこそが、日本の生き残る道なのである。

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流音弥
2002年10月12日

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