お眼鏡にかなう眼鏡屋さん(初眼鏡編)
先日、久しぶりに眼鏡を新調した。
私にとっては、3つ目の眼鏡になる。
18年間をわずか2個の眼鏡で過ごしてきたというのは、
ある意味、奇跡的なことなのかもしれない。
私が眼鏡を初めてかけたのは、
確か高校2年の時だ。
我が家の父方の遺伝か、
乱視が出始めていた。
横の線が2重に見えるようになり、
長時間勉強すると、非常に目が疲れる。
当時、自宅の駅の近くに、
安いと評判の眼鏡チェーン店が出来たので、
そこで眼鏡を購入することにした。
ただ、視力の計測については、
母が、市内にある腕の良い眼科医の評判を
どこからか仕入れてきたので、
その眼科医で計測してもらった。
今思えば、眼鏡チェーン店の方が
私が行った年老いた眼科医よりも
ずっと近代的な測定法を採用していたと思うのだが、
当時、眼鏡チェーン店というのは、
「安い!」、「全品5割引き〜!」
などという、テレビCMが盛んに流されていたせいか、
「安い」けど「技術に信頼がおけるか不安」
というイメージが強かった。
私の母は当時、自分では眼鏡を使用していなかったので、
眼鏡に関する技術の良し悪しの判断ができなかったのだろう。
リスク軽減の為、
とりあえず評判の医師に視力を測ってもらうことにしたのだった。
そして、市内には、眼鏡屋自体はいくつもあったが、
子供がかけるのにふさわしい安い価格帯が中心の
「眼鏡チェーン店」で購入することにしたのだった。
眼鏡チェーン店で購入する際、
その店でも念の為、視力を測ることとなった。
一応眼鏡屋としての意地もあったのだろう。
機械を覗き込む方法による視力検査で、
私には、この方法の方が、
眼科医が用いた従来の方法よりも、
何となく正確なような気がした。
結局、測定結果はほぼ同じだったと、店員は言ったが、
果たして本当はどうだったのだろう?
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結局、私の購入した眼鏡フレームだが、
「ポルシェ」ブランドのフレームだった。
「ポルシェ」と言えば、「スーパーカー」(死語)。
今では、「スポーツカー」と言うべきか。
私は車マニアではないし、
「ポルシェ」に特に入れ込んでいる訳でもない。
だが、私が小学生の頃、
ちょうど、「スーパーカーブーム」の真っ只中で、
ポルシェ
ランボルギーニ・カウンタック
フェラーリ
ロータス・ヨーロッパ
ランチャ・ストラトス などなど、
(う〜、なんで車好きでも無いのに覚えているんだ?
友達の話題について行けるように必死に覚えた (泣))
が大流行していた。
子供の頃に、脳裏に焼き付けられた印象というのは、
生涯ずっとつきまとう。
メタリックで先進的なデザインのフレームを手にとって、
なんかいいな〜、どうしようかな〜と迷いながら、
フレームの内側の「PORSCHE」のロゴを見つけた瞬間、
これしかないと衝動が全身を襲った。
後で分かったことだが、
ポルシェデザインは、
シルバー(メタリック)を主体とした、
未来的なデザインが特徴で、
スポーツカーから、時計や眼鏡などの日用品、
家電製品に至るまで
様々な製品に使われ、市販されている。
元来、ポルシェのようなデザインこそ、
私が最も好むデザインである。
そこに、スーパーカーの「ポルシェ」の懐かしく強烈なイメージ
が加わり、相乗効果をもたらした。
こうして、私のファースト・メガネが瞬決したのだった。
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Porsche Design : the engineers of luxury
http://www.porsche-design.com/
SCENA ONLINE(ポルシェ・デザイン)
http://www.neko.co.jp/cgi-bin/scenaonline/list.cgi?ctg_id=pd
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なんとかフレームは決まったが、次は、レンズをどうするかだ。
私の当時の高校の友人で
メガネのレンズに傷がたくさん付いている男がいた。
彼によると、プラスチックレンズだから、
普通に扱っていてもすぐに傷が入ってしまうのだそうだ。
現在、プラスチックレンズを使用しており、
5年近く経っても殆ど傷無しで済んでいる今の私ならば、
絶対に信じなかっただろうが、
当時の私は、メガネ非使用者だったのだ。
彼が、どれだけ乱暴にメガネを扱っていたかなど、
想像することさえできなかった。
もちろん、当時の技術を考えれば、
彼の使っていたレンズが傷つきやすい素材だった可能性も
十分あるが。
そういう訳で、
最初から私は、レンズはガラスに限ると信じ込んでいた。
但し、ガラスはプラスチックに比べてかなり重くなるとは
彼も含めて何人かから聞いていたので、
そこが一番悩むところであった。
だが、店員によれば、私の場合、
乱視による視力低下が殆どなので、それを矯正するだけなら、
それほどレンズ自体を厚くする必要が無い。
だから、ガラスのレンズであっても
近眼の人ほどは重くならないというのだ。
近視が強い人は、
牛乳瓶の底のように、レンズを厚くする必要があるので、
ガラスだと非常に重くなってしまう。
となると、プラスチックレンズしか、選択の余地が無い。
また、ガラスレンズの優れた点として、
傷つきにくいこと以外に、
光の透過率が高い為、
レンズを通して物がとても見やすいことがある。
初めてメガネをかける者にとって、
これはとても魅力的な特徴である。
メガネをかける煩わしさがある分、
よく見通せるようになりたい
細部まで見られるようになりたい、
という気持ちが強いからだ。
こうして、私はガラスレンズのメガネをかけることになった。
ガラスレンズにはいくつか種類(ランク)があって、
私のその中でも上位のものを選んだ。
丈夫な素材なのでレンズの厚さを薄く出来るというからだ。
当然、値がはることになるが、
普通の眼鏡屋よりは安いはずだという思いと、
大学受験が迫っていることが、母の財布の紐を緩くした。
いいメガネを買うことで勉強に身が入って、
国立大学に入ることができれば、
結果的に出費は安くつくからだ。
「京四郎は物持ちがいいしね。」
母は、自分自身を納得させるかのように呟いた。
ちなみに、「私が物持ちがいい」というのは、
私の兄と弟が「物持ちが悪い」ことに対する相対的評価であり、
実際に、私が物持ちがいいかどうかは怪しいところである。
私が購入したオーディオ製品は、なぜかすぐに壊れる
というのが、以前付き合っていた女性による評である。
それでも、ファースト・メガネを10年近く使ったことを考えれば、
もしかしたら、本当に物持ちが良いのかもしれない。
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ところで、このレンズについて、
もう1つ説明しなければならないことがある。
この眼鏡チェーン店の店員が、
レンズにカラー(薄い茶色)を入れることを提案してきたのだ。
茶色を入れることにより、レンズの色が肌の色に近くなり、
メガネをかけても自然な雰囲気になるというのだ。
試しに、茶色を入れたレンズのメガネをかけてみる。
言われてみると、確かにそんな気がする。
レンズの色が顔の色に近い
(当時の私は日焼けをしていて顔が浅黒かった)ので、
レンズの無いフレームだけのメガネをかけているかのようだ。
もちろん、サングラスのような濃い色では無いので、
周りの人も色が入っているなんて全く気がつかないだろう。
私は、このような人知れず行うイタズラ的行為は結構好きだ。
高校生がサングラスをして高校に行けば、
生徒指導の先生に叱られるのは間違い無い。
だが、この程度の色であれば、ばれることは無いし、
仮にばれたとしても、問題とされない程度である。
髪の毛を微妙にばれないように染めても、
周りの人と比べれば染めていることは一目瞭然。
だが、自分しかかけないメガネであり、
自分の肌の色に同化させていれば、
保護色になって分からない。
ちょっとした優越感がオプション料金数千円で実現できる。
ファッションとして提案するのではなく、
自然な雰囲気になるとして提案したところが、ミソだ。
風紀には厳しい私の母も、何の抵抗も無く承認してしまった。
物は言いようである。
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さて、このガラスレンズのメガネが出来上がり、
恐る恐るかけてみた。
なんと、予想以上によく見えるようになったのである。
実は、余り期待していなかったのだが、
これまで私が見てきた風景は一体なんだったんだ?
という位、周りの物がよく見える。
木々の枝や葉、植物の花や葉まで、
輪郭がくっきりと見える見える。
それまで、余り気にとめていなかった自宅の庭の植木も
美しく感じられた。
物の輪郭が二重にぼやけて見えることがこれほど、
美の感覚を損なうものであるかが、
その時初めて分かったのである。
もちろん、本の字もちゃんとはっきり見える。
数ミリ上に同じ文字が二重に重なって見えた時に比べて、
脳で認識されるまでの時間が短いような気さえする。
これまでは、視覚より入った情報が脳に入った後、
二重にぼやけていた情報を解析し類推処理していたので、
1つの情報に統合するのに、
微妙に時間がかかっていたのだろう。
今度は、目に飛び込むと同時に頭に転送され、
それが何であるか「わかる」という感じだ。
これで、勉強もはかどるぞ〜
とやる気が急に出たのは確かだった。
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流音弥
2003年3月16日







