パワーハラスメント
職場において、上司が職務権限をバックに、
部下に対して嫌がらせをすることを
「パワーハラスメント」と呼ぶことを最近雑誌で知った。
「セクシャルハラスメント」は、
職務権限を利用して性的な行為、性的な不快感を与える行為なので、
「性的嫌がらせ」と訳される。
それならば、「パワーハラスメント」は、
職務権限を利用して、人間としての不快感を与える行為なので、
「人的嫌がらせ」と訳せるかもしれない。
そもそも「パワーハラスメント」という言葉は、
企業から社内のメンタルヘルス電話相談室の運営を受託している、
「クオレ・シー・キューブ」(東京都新宿区)という会社が、
2001年頃から使い始めたのが最初だ。
同社の「パワーハラスメント」の定義によると、
実際の職務とは関係ない、
または適正な範囲を超えて、
上司が部下に
嫌がらせの物言いなどを繰り返し行う状態
を指す。
従って、
部下が上司に対して行う反抗・嫌がらせの物言いや、
何度も繰り返されない行為については、
「パワーハラスメント」とは言わない。
1度や2度部下を叱ったぐらいでは、
「パワーハラスメント」のうちに入らないのだ。
当然だろう。
これらは、非常に重要な点であり、
セクシャルハラスメントの定義に似ている。
だが、「パワーハラスメント」という言葉は私は、
これまで見たことも聞いた事もなかった。
これは、「パワーハラスメント」に対する
マスコミ、社会全体の問題意識の低さがあるのだろう。
「セクシャルハラスメント」であれば、受けた人に対して同情するが、
「パワーハラスメント」については、
会社の上司と部下の精神的結びつきを高め、また、
社会人としての教育的見地からも、
むしろ推奨されるべきではないか
という意見も年配を中心にいまだに多いのが現状である。
パワーハラスメントはその内容から次のように分類できる。
1)就業後の飲食の付き合いの強要
2)休日のゴルフ及び娯楽への付き合いの強要
3)過度の能力否定
4)過度の責任・失敗追及
5)容姿・服装に対する否定
6)生き方(人生観)の否定、強要
7)性格・人格否定
大別すると、
1と2の「付き合い」
3と4の「仕事の能力」
5〜7の「人間性」
とに分けられる。
夜や休日の「付き合い」については、
最近は少なくなってきているようなので、
「仕事の能力」「人間性」についての
「パワーハラスメント」について注目したい。
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上司による部下に対するこれらの「パワーハラスメント」は、
10年ほど前の日本の企業では部下の教育の一環として、
程度の差はあれ極当然に行われていた。
それらは、
上司のいわゆる親心からの教育的指導である場合もあるし、
単なる上司のストレス発散や、
気に入らない部下への単なる嫌がらせ・いじめ
の場合もある。
しかも、当時「パワーハラスメント」を受けた部下達は、
年月を経て上司の立場になっている頃なので、
子供のときに虐待を受けた人が親になると子供を虐待してしまう
がごとく、部下に対して「パワーハラスメント」をしてしまうのだ。
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パワーハラスメントは、セクハラと同様に、
上司との関係が上手く行っている時は問題が表面化しないが、
個人主義的傾向の強くなってきた最近の若者にとっては、
上司の自分に対する説教・干渉・束縛はウザイだけである。
子供の頃から親にも先生にもほとんど叱られたことの無い若者が
結構いると聞く。
一方、会社では、上司は仕事の成功の為に
部下を厳しく叱咤・叱責、時には罵倒することなど日常茶飯事だ。
会社の命運、自分の地位、家族の生活がかかっているのだから、
こちらは真剣である。
もちろん、すぐ感情的になる上司もいれば、
理性に訴えかける上司もいる。
どんな上司の下に付くかは、会社生活において重要である。
悪意を含んでいるかどうか、程度の差など
「パワーハラスメント」の内容・レベルは多種多様だが、
この種の「精神攻撃」に対して
免疫が無く、無防備で、どう対応して良いかわからない若者達は、
「上司は自分に対して嫌がらせをしている」
と勘違いしてしまう。
最悪な場合は、
自信喪失 → 出社拒否 → 退職
へと突き進む。
「嫌がらせ」の定義は難しく、
通常、受け取る側が「嫌がらせ」だと感じるかどうかにある。
普通の人よりも心が「繊細」な、「打たれ弱い」人は、
ちょっとした注意のひとことでひどく傷つき落ち込んでしまう。
だからと言って、
いわゆる「被害者」側の視点のみから、
これらの叱咤・叱責・罵倒を全て、
「パワーハラスメント」と呼んでよいのかは疑問だ。
もちろん、本人の失敗につけこんで、
ネチネチとイビリ続けるのは問題外だが。
時には、教育的指導として必要な場合もある。
「打たれ弱い」人は、
自分でも耐えられるような「優しい」職場を探すべきだろう。
自由競争社会、しかも、
生き馬の目を抜くような業界では、
叱咤・叱責・罵倒無しでは成り立たない会社も結構あるのだ。
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「加害者」側の立場としては、
上司による部下への叱咤・叱責・説教等は、
あくまでも、教育的動機に基づき行われるべきものであり、
なおかつ、
本人の人格を否定するものであってはならない。
「パワーハラスメント」と受け取る側の認識の問題もあるが、
「パワーハラスメント」を無自覚のまま行ってしまう側への
教育研修も必要だろう。
また、本人が、自覚してやっている場合は、
本人の管理職としての資質に問題があるとも言えるので、
人事部は異動・降格も含め早急に対処するべきだ。
私の勤める企業でも、ようやく最近、
人事部主催によるセクハラ研修が開催されるようになった。
「パワーハラスメント」という概念について、
管理職の人達は最初のうちは戸惑うかもしれないが、
加害者側が気をつけることで
「パワーハラスメント」はかなり防げると思われる。
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ところで、無能な部下、特にリストラ対象となるような部下を
持った上司には同情を禁じえない。
「パワーハラスメント」とまでは行かなくても、
何とかコイツを自分の部署から追い出したいという気持ちが、
自然と行動に現れてしまうのだろう。
「適材適所」という言葉があるが、
少なくとも会社における仕事については
何をやらせても満足な成果を出せない種族
がこの世には確かに存在する。
ずっと若くて仕事ができる優秀な社員よりも
はるかに高い1.5〜2倍の給料をもらって
会社にしがみついている中高年もいる。
部門内での年俸枠があるので、
これらの「無能社員」がいる限り、
若くて優秀な部下に対して給与で報いることができない。
それに不満を持った若くて優秀な部下は、
より高い給与を求めてライバル会社に移ったりする。
丹精こめて育て上げた優秀な部下がいなくなることほど、
つらいことはない。
皮肉や罵倒の1つや2つ言いたくもなるだろう。
給料に値するだけの働きをしない部下がいること
という致命的なストレスを解消しない限り、
「パワーハラスメント」はある程度残ると思われる。
また、上司のアドバイスを聞かない部下。
日経ビジネス(2002年9月8日号)によると、
「パワーハラスメント」の言動を取った理由の75.7%を占めていた。
そんな部下を持ったら嫌だろうね〜。
だが、この中には、
上司が余りに無能の為、優秀な部下が従わないケースも
結構含まれていると思われる。
「パワーハラスメント」が存在する状態では、
部内の社員のモチベーションが下がり、
結果として企業の生産性が下がるので、
これを防ぐ為には、抜本的な人事制度改革が必要だ。
本人の能力・適性・性格を考慮し、
最適な部署、最適な業務、最適な上司の下に配置する。
能力的・性格的に問題があり、
適した部署・業務・上司が見つからない場合は、
できるだけ早く会社から去ってもらうような方策
を考え速やかに実施する。
そして、これが一番難しかったりする。
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ちなみに、
セクシャルハラスメントを略して「セクハラ」と呼ぶように、
パワーハラスメントを略して「パワハラ」と呼ぶとの事だが、
「パラパラ」と間違えそうだと思うのは、私だけだろうか?
部長、これ以上私に対して嫌がらせをするのなら、
「パラパラ」で訴えますよ!
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人権の広場「パワー・ハラスメントとは」 −ひろげよう人権
http://www.jinken-net.com/hiroba/hiroba0307.html
株式会社 クオレ・シー・キューブ
http://www.cuorec3.co.jp/
パワーハラスメント(パワハラ)リンク集@健康ナビ・ドットネット
http://www.kenkounavi.net/site/pawahara.htm
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流音弥
2003年9月18日







