精子バンク
さて、前回は、遺伝子で人の一生が決められてしまう
近未来映画「ガタカ」を紹介した。
あれから、この映画を見た方はいるだろうか?
生物は「より良い」遺伝子を取得するために、
交配する相手を選択する。
「より良い」
というのは、 結局、 種の保存能力に優れているという
意味における評価であるが、
種の保存能力に優れているかどうかを
直接的に判定することは難しい。
実際には、生物は、
力・外見・行動等のような間接的な評価項目を基に、
種の保存能力を推測し、
交配相手を選ぶことが多い。
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まず、第一に、「強さ」「生命力」。
体が弱い種は、自然界の生存競争では淘汰される。
従って、生物(哺乳類・は虫類など)では
通常、雄どうしが闘って、
勝った方が雌と交尾する権利(?)が与えられる。
体の大きさ(身長、体長)が「強さ」の象徴とされる場合もある。
一般に体の大きい方が、体重も多く、実際に闘えば強い。
(一方が、空手・柔道・ボクシングのような格闘技を
身につけていれば別であるが。。。)
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第二に、「美しさ」。
シッポの長さ、羽や体毛、とさかの色や模様の美しさなどで、
雌が雄を選ぶことがある。
例えば、鳥などが良い例である。
また、鳴き声の美しさが、重要な意味を持つ場合もある。
人間の場合でも、声の素敵な人は、
男女によらず、魅力的である。
だから、古くから世界中で歌曲が愛されて来たのである。
また、体の大きさが「美しさ」として認識される場合がある。
人間が代表的な例である。
文化によっては、身長の低い方が高い評価をされる
地域もあるかもしれないが、
一般に男性においては、
身長が高い方が女性から好かれるという現象がある。
少なくとも、自分より背の低い男性をパートナーに選ぶことに
躊躇する女性は、いまだ多い。
特に日本では。。。
もちろん、余り身長が高すぎると、
一部のスポーツ分野を除けば、
それ程高い評価は得られないことも多々あるが。。。
また、体が大きくても肥満であると話は違ってくる。
一般に肥満は生命力と反比例するからだ。
しかし、南方のある国では、
ふくよかな女性の方が好まれるそうである。
身長において、女性は、男性とのバランスで、
高身長を求められることは少ないが、
ファッションモデルは、
身長が高い方が洋服が映えるということで、
職業的な選別がなされる。
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第三に、「知能」。
頭が良い動物は、敵を出し抜くことができる為、
生存能力は高いことになる。
人間の場合は、一般に「知能指数:IQ」とされているが、
後天的に身につけた知識・能力も
生存能力が高いことを示す指標ではある。
ただ、同じ量の努力をした場合、
「記憶力」「回転力」が高い遺伝子を持っている方が
生存競争(受験、ビジネス)において
優位であることは間違いない。
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皆さんは、数年前(10年前?)に流行った
「3高」を覚えているだろうか?
「3高」とは、女性が人生のパートナーの男性を選ぶ際に
基準とする3つの評価項目のことだ。
1つ目は、高学歴。
2つ目は、高収入。
3つ目は、高身長。
内容について、今更、説明するまでも無いが、
この3つこそ、前述の、種の保存能力の決定要素である、
「強さ」「美しさ」「知能」とかなりの部分で重複してくる。
3高の中には、「強さ」「生命力」を示すものは無いが、
これは、現在の医療技術の発達から来る安心感の表れなのか、
もしくは、健康であることは大前提の上での
「3高」なのかもしれない。
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現在では、以前ほど「3高」にこだわる女性は少なくはなったが、
それは、
「3高」という評価項目だけで
パートナーとなりうる男性を見つけることがいかにむなしいか、
ということに世の大部分の女性が気付きだした
という理性的理由もあるが、
むしろ、
「3高」の男性は、この世界で余りにも少ない存在である
という厳しい現実を認識し始めたことによるものが
大きいのではないだろうか。
映画やテレビドラマに出てくる、
ハンサムで頼もしくて優しそうな男性と素敵な恋愛をしたい。。。
これは、多くの女性が望むことだろうが、
(もちろん、男性にしても同様の事が言えるが。。。)
結局、それは憧れだけで終わる事が多い。
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以上のような現実から、
パートナーに「優秀な」遺伝的要素を望むのではなく、
子孫(子供)にそれを望むという発想が生まれてくる。
ヒトの遺伝子を操作する技術は最近発達してきたが、
遺伝子を思い通りに操作できるようになるまでは、
まだかなり時間がかかる。
また、ヒトの遺伝子操作については、
倫理的側面から様々な法律規制がかけられており、
その点からも当面は不可能である。
遺伝子技術無しに、従来から頻繁に行われてきた
「優秀な」子供を授かる方法がある。
「精子バンク(精子銀行)」
アメリカでは、以前から精子の売買が盛んにおこなわれており、
およそ150 の精子バンクがあるといわれている。
精子バンクに登録された精子提供者(ドナー)のリストには、
提供者本人の
身長・体重、肌・眼・髪の色・人種・血液型
といった身体的特徴の他に、
宗教・学歴・職業・趣味
といった特徴が掲載されていて、
購入者は自分の好みに従って自由に選ぶことができる。
カタログショッピングのようであり、
実にアメリカ的発想である。
なお、精子購入者がバンクに支払う値段は、
授精1回につき100 〜200 ドル位という。
中には、提供者の殆どが科学者で、
いずれも知能指数が130 以上という精子バンクもある。
このバンクの精子の値段は、通常より高めで3000ドル。
バンク設立以後、何百人もの子どもが誕生しており、
実際、その子供の知能指数は非常に高いということだ。
以前は、精子バンクは、
不妊症の夫婦・カップルが利用することが多かったが、
最近では、子供は欲しいが結婚しない主義の女性や、
レズビアンのカップルが精子を買って
子どもを産むというケース増えてきている。
数年前(私の記憶によれば1998年?)、
映画女優のジョディーフォスターが、
「精子バンク」から精子を購入して子供を産んだ
というニュースが流れた。
彼女が購入した精子は、
「IQ160、長身の科学者が提供したもの」 だそうだ。
「頭のいい子が欲しいだけ」
「結婚して男性に縛られるなんてまっぴら。でも、子供は欲しい」
という彼女の考え、皆さんはどう思いますか?
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P.S.
そういえば、彼女はレズだという噂がある。
恋人?の女性と一緒に暮らしている。
別に、「レズ」だからいけないという訳ではないが。。。
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極楽座連載エッセイ「設計図」第7回テーマ
「精子バンク」
流音弥(2001年1月15日)より







