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愛と遺伝子診断

4月22日の朝日新聞の記事の見出し、
「乳ガン遺伝子、英が無料診断」
に私の目は釘付けになった。

英国は、乳ガンの遺伝子診断を
国民に無料で提供する方針だと言う。

また、保険会社が遺伝子検査の結果を利用するのを
当面禁止する措置を検討中とのことだ。

遺伝子診断によって、
乳ガンにかかりやすいかどうかが判定できる。
乳ガンにかかりやすいと診断された人は、
普段から乳房にしこりができていないかどうかを
気を付けてチェックするだろうから
乳ガンの早期発見が可能になる。

また、食生活や喫煙にも気を付けるであろうから、
発ガンリスク自体も低下するだろう。

このようなメリットが遺伝子診断にはあるのだが、
いかんせん、お金がかかるとなると、やはり皆受けたがらない。
どこの国でも、それが一番の悩みである。

お金のかかる遺伝診断が無料になるのは、
国民にとって非常にありがたいことだが、
問題は、「遺伝子診断」の結果の扱い方であろう。

遺伝子情報では、自分だけでなく、
兄弟・家族・親戚(一族)の遺伝情報も
ある程度推測できてしまうからやっかいだ。

その診断結果については、
とりわけプライバシー保護が求められるべきである。
遺伝子情報を書き換える事はできないし、
また、今後、延々と背負っていく一族の宿命でもあるからだ。

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なお、遺伝子情報自体を書き換えてしまう方法として、
遺伝子治療があるが、
それは応急処置的な対応であることが多く、
次の世代へは伝達されない
(伝達されるべきでない) ことが原則となっている。

ところが実際には、予想に反して、
改変した遺伝子情報が次世代に伝達されてしまう
場合があることが報告されている。

次世代に遺伝子情報を伝達するには、
生殖細胞自体に変異を起こさせる必要があるが、
それを、意識的に行える程、
人類の遺伝子操作技術はまだ発達していない。

おそらく、偶然、生殖細胞にも、
遺伝子操作の結果が伝達されてしまったのだろう。

裏返せば、
遺伝子情報の伝達のコントロール法さえ見つければ、
遺伝子情報を書き換え、
新たな種族(人間と呼べるのであろうか?)
を創造することも可能だということだ。

もちろん、
かなり高度な遺伝子の知識と遺伝子操作技術と資金が
必要であるが。。。

米国の国家秘密組織では、きっと実験しているだろうな〜

人類自体の遺伝子書き換えについては、
宗教的な問題が絡んでくる。
世界の先進国の大部分では、それを禁止しているし、
ローマ法王もそれを禁止している。

遺伝子を書き換えは神への冒涜であるというのだ。
いわば、神の領域。
人類は、そこまでたどり着きかけている。

無神論の私にとっては、
遺伝子書き換えの是非に関する宗教的議論など
どうでもいい話だが、
遺伝子操作実験の結果、映画 「 X-MEN 」 のような
ミュータントが生まれてきて
人類を脅かすようになるかもしれないと想像すると
それはそれで恐いものがある。

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さて、遺伝子情報のプライバシーの話に戻るが、
個人の遺伝子情報が漏れると

1.結婚を拒否される

2.入学・就職で不利になる

3.生命保険への加入を拒否される

ことが考えられる。

「1.結婚拒否」の問題は、
これまでいつの時代にもあったことで、
遺伝子診断の結果を見るまでもなく、
代々、そこの家系で起きている疾患を見れば、
ある程度予想はつく。

それが、遺伝子診断によって根拠づけられる訳である。
だが、それ以外に、

  ・本人の代になってから、
     突然変異で起きた遺伝子異常を検出できる点、
  ・パートナーとなる相手との「遺伝子相性」がチェックできる点

が、遺伝子診断の特徴と言える。

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遺伝子相性

  私が勝手に造った言葉である。
  お互いが持つ劣性遺伝子同士が組み合わさる事により、
  それまで発現しなかった形質が、子供の代で発現すること。

******************************************
貴方とぴったりの遺伝子情報を持つ相手を紹介します。 ******************************************

このようなサービスがいずれ出て来るに違いない。
遺伝子情報を書き込んだカードを端末に入れると、
候補となる相手のリストが画面に出てくる。

容姿、年齢、趣味、職業などで相手を選択したら、
生まれて来るであろう子供の
シミュレーション映像まで表示される。

「出会いのサイト」も似たような運営方法になるかもしれない。
精子バンクでは、ドナーの容姿・知性だけでなく、
遺伝子との相性診断も必要になるだろう。

もし、ナチスのような独裁政治国家が出現したら、
遺伝子相性が高い者同士の結婚しか許さない
法律を作るかもしれない。

ただ単に、IQの高い者、運動能力の高い者同士を
結びつけるのではなく、
その組み合わせにおける遺伝子リスク(劣性遺伝等)
までをも考慮した「優生政策」が行われるだろう。

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本日の課題1:
 パートナーや恋人に遺伝子的欠陥が発見されたり、
 自分との「遺伝子相性」が良くなかった場合、
 貴方は、それでもその人と結婚しますか?
 結婚生活を続けられますか?

本日の課題2:
 もし、結婚する相手から遺伝子診断を求められたら、
 貴方は、承諾しますか?

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では、続きをお楽しみに。

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極楽座連載エッセイ「設計図」第18回テーマ
「愛と遺伝子診断」
流音弥(2001年4月23日)より

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