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遺伝子組み換えスナック

日本経済新聞によると、
食品メーカーのカルビーは、6月20日、
同社製のスナック菓子「じゃがりこ」の自主回収を始めた。

同製品の材料に安全性未審査の
遺伝子組み換えジャガイモが
使用されていることが判明した為だ。

原材料に使われたこのジャガイモは
カナダ産の「ニューリーフプラス」という品種(製品)で、
害虫や病気に対する抵抗性を与える為の
遺伝子操作が施されている。

厚生労働省によると、
既に、カナダと米国では許可されており、
人体への安全性についても影響は無いとしているが、
カルビーは自主的に回収を開始した。

「じゃがりこ」は年間売り上げ180億円という
カルビーの主力商品の1つである。
「じゃがりこ、じゃがりこ、じゃがりこ。。。」
と連呼するCMは私の長期記憶にしっかりと刻みつけられている。

回収による損失は大きい。
また、ブランドのイメージ低下につながる。
全国の子供を持つお母さん達は、
他のスナック菓子を買うことになるのだろう。

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ところで、実は、
ハウス食品も、先月、同じような経験をしている。
主力製品のスナック菓子「オーザック」から
「ニューりーフプラス」が検出されたからである。
同じ原料を使用しているポテトチップの
「アイチップ」「ディズニーチップ」も 自主回収を開始している。
発表当日、ハウス食品には1000件を超える
消費者からの問い合わせが殺到したという。

遺伝子組み替え作物の混入問題への関心は
それ程まで大きいものなのである。

なお、同社のポテトスナック類の年間売上高は約50億円で、
直接的な損害額は4億円と推定されるとの事だが、
これもまた、ブランドイメージ低下による損失は計り知れない。

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他の食品メーカーは、ハウス食品の混入事件の後、
外部の検査機関に遺伝子組み換え作物の混入有無の
検査を依頼を開始した。

また、ジャガイモ等、原材料の輸入先として
米国以外の地域も検討し始めたが
結局、今回のカナダ産ジャガイモ事件からも明らかなように
どこから輸入しても、遺伝子組み替え作物の混入は免れない。

それだけ、遺伝子組み替え作物は、
農作物の重要な位置をしめつつある。
カルビーでは国内産のジャガイモに切り替えたとのことだが、
国内産だからといって本当に安心できるのだろうか?

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もともと、遺伝子組み替え作物は、
農薬を使わない「安全な」作物の切り札として生み出された。
害虫が食べたら死ぬが、
人や動物が食べても影響がない、
「もともと自然界に存在する物質」を成分に含む作物であれば、
環境への影響は少ないという発想である。

また、病気への抵抗性が強ければ、それだけ収穫量が増え、
低コストで安定した大量収穫が可能になる。

世界の食糧不足の解決策にもなる。

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こんな、いいことずくめの作物にも関わらず、
これほどまで、
遺伝子組み替え作物の混入が問題になるのはなぜか?

先ほど挙げた 「もともと自然界に存在する物質」 というのは
確かに有用かつ人体に無害な物質なのだが、
それとは別に、人体に有害な物質を同時に作り出してしまう
可能性があるからだ。

どうして、そんな事が起こるのかと思われるかもしれないが、
遺伝子の働きについて、まだ、
完全には解明されていない事が大きな原因である。

上述の「物質」を作る「遺伝子」を作物に組み込む訳だが、
その「遺伝子」が
他にどのような機能(どのような物質を作り出すか)を
持っているかはわからないまま
(いちおう検証実験等は実施していると思われるが、
 人のやることだから漏れはある。)
作物に組み込んでしまう。

その作物やそれを使用した商品を実際に食べて
何らかの症状が発生した時点で、初めて、
ああ、こんな問題点があるんだとはじめてわかる。

もちろん、
動物実験等を繰り返して安全性を確かめてはいるはずだが、
医薬品の開発のように、
実際に人に食べさせても影響が無いかどうかを
科学的に臨床試験で検証しているとは思えない。

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去年の末に問題になった
未承認の米国産遺伝子組み換えトウモロコシ
「スターリンク」。

人が摂取すると、
アレルギー症状を誘発するタンパク質を含んでいる。
しかし、全ての人がアレルギー症状になる訳ではない。
「スターリンク」に含まれる「タンパク質」に反応して
アレルギー症状を起こするような遺伝子を持っている人に限られる。
しかし、自分が「スターリンク」でアレルギーを起こす体質だなんて
誰が知っていよう。

遺伝子組み替え作物は確かに、
生産者側には莫大な利益を生み出す可能性がある。

だが、消費者側には何のメリットがあるのだろう。
むしろ、人体に悪影響を及ぼすかもしれない物質を
含んでいる可能性がある点では、デメリットしか無い。
これが、消費者が遺伝子組み替え食品に反対する
単純な理由である。

現在のところ、遺伝子組み替え食品は生産者側にとってだけ
都合の良い製品なのである。

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さて、食品メーカーとしては、どうすれば良いだろうか。
本来であれば、
輸出国側でチェックする体制を敷く必要があるのだが、
輸出する方のチェックというのは基本的に甘い。
ビジネスの心理としてはわからないこともないが、
人の心情としては許せないものがある。

いずれにせよ、原材料のチェックは、
輸入国側が輸出国に赴いて
現地でチェックできる体制を組むしか、
品質保証のすべはない。

また、国内産に切り替えたとしても、
常に、遺伝子組み換え作物が混入していないかは
念のため、必ず、チェックしておくべきだろう。

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カルビー

http://www.calbee.co.jp/
ジャガリコのコーナーはさすがにお休み。

ハウス食品
http://www.housefoods.co.jp/

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極楽座連載エッセイ「設計図」第22回テーマ
「遺伝子組み換えスナック」
流音弥(2001年6月20日)より

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