代理母
前回のコラムで「代理母」という単語が出たが
誤解がないように、ここで代理母について説明しておこう。
代理母は受精の方法・対象によって次の2つ分類される。
1.夫婦の精子と卵子を体外受精し、
できた胚を妻以外の女性の子宮に移植し
妊娠・出産してもらう方法。
この方法を後の方法と区別するために
一般的に「借り腹」という。
また、出産する女性を「ホスト・マザー」と呼ぶ。
子供は当然、夫婦の遺伝子を引き継ぐ。
(「借り腹」、私はこの言葉があまり好きでない。
女性を、子供を産む道具のように表現した言葉だ。
本来、借りるものでは無いはずなのに。。。
もっとましな表現は無いのだろうか?)
2.夫の精子を妻以外の女性に「人工授精」する方法。
この方法は、妻の卵子を使用できない場合に用いられる。
出産する女性は「サロゲート・マザー」と呼ぶ。
なお、子供は、夫と代理母の遺伝子を引き継ぐ。
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代理母が求められる理由
1.ホスト・マザー
妻が、子宮癌や子宮筋腫等で子宮を失った、
もしくはその他の身体的理由により
物理的に妊娠・出産ができない場合で
夫婦の血を分けた子供を授かる唯一の方法。
なお、妻の卵子が存在し、生殖能力がある場合に限られる。
2.サロゲート・マザー
妻が、子宮癌や子宮筋腫等で子宮を失った、
もしくはその他の身体的理由により
物理的に妊娠・出産ができない場合で
さらに、妻の卵子が存在しない場合に、
それでも夫の遺伝子を継ぐ子供を授かりたい時に、
採用される方法。
この方法は、よほど夫婦間の深い愛情と信頼が無ければ
するべきではないと思う。
夫の家系の血筋を絶やさない為の最終手段であるが、
夫婦以外の精子と卵子を受精させてまでして、
絶やしてはならない血筋など
地球上には存在しない。
なお、この方法で唯一の救いは、人工授精である点。
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人工授精とは、
夫の精液を採取し、
それを細長いスポイト状の器具を用いて
妻(または代理母)の膣から注入することを言う。
決して、「エッチ」して妊娠させる訳ではない。
ここだけの話だが、
シングルマザーを望む女性は、
わざわざ、精子バンクに行く必要はない。
もし身近に、信頼できる男性の友達がいて、
その男性が遺伝子提供者としても魅力的で、
承諾(協力)が得られるのであれば、
いわゆる「危険日」に自宅に来てもらって
「精子」を採取し、自分で膣に注入すればいい。
原理は「エッチ」と変わらないが、
提供者と「エッチ」はしたくないけど、
「精子」だけは欲しい場合には有効な方法だ。
実際に欧米では、このお手軽な(?)方法による、
シングルマザーも結構多いそうだ。
なお、この簡易人工授精は、
女性の排卵機能が正常な場合のみ有効である。
卵子が受精しやすい位置まで排卵されない場合は、
特別な専用器具を用いて、卵子の近くまで
精子を送り込んでやる必要がある。
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さて、代理母から生まれた子供だが、
現行法では、出産した女性が母親になる。
従って、夫婦の子供とするためには、
出生届けを出した後、養子縁組が必要である。
また、海外では、 代理母に関するトラブルも発生している。
妊娠しているうちに、子供に愛着がわき、
依頼した夫婦への子供引き渡しを拒むケースもある。
1986年に、米国で、代理母と依頼夫婦がともに
「自分が親である」と主張し、裁判になったが、
州最高裁は、代理母契約を無効とし、
養育権は依頼夫婦に認め、
代理母には親として面会する権利を認めた。
このように、代理母に関する法整備が未熟な段階では、
様々なトラブルが発生するのである。
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代理母の法律規制
米国:連邦法による規制は無い。
独仏:法律で禁止。
英国:営利目的を禁じる(善意は可)。
日本:厚生省の専門委員会の報告書で禁止(法律は今後整備)
韓国:規制無し。
日本では、代理母の法規制は無いが、
業界の暗黙の原則として禁止されている。
ところが、
既に代理母による出産を行っていた産婦人科が存在することが、
先日の新聞発表から明らかになった。
では、詳細は、次回のエッセイにて。
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<プチコラム1>
前回のコラムで取り上げた
韓国の卵子バンク「DNAバンク」であるが、
もしやと思い、
ドメイン「http://www.dnabank.com/」
をブラウザに入力してみた。
すると、 「This site is for sale!!!! 」
つまり、売り出し中という訳だ。
早速、持ち主にメールで値段を聞いてみたところ、
なんと、50万USドル以上とのこと。
バイオ関連ドメインだけあって、さすがに高い。
これだけの金額をドメインに出せる企業はそうそう無いだろう。
ちなみに、
dnabank.net
dna-bank.com
dna-bank.net
これらは、実際には稼働していないが、
すべて、何者かに取得されている。
もちろん、私では無い。
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<プチコラム2>
6月29日の毎日新聞、読売新聞によると、
クローン人間作りを宣言していた米国の新興宗教団体
「ラエリアン・ムーブメント」が
米国内での実験や研究を行わないと宣言したそうだ。
ラエリアンのクローン研究を指揮する
ブリジッド・ボワセリエ博士が
「米国内で合法化されないうちは、
クローン人間作りや人間の卵子を使った研究をしない」
との誓約文書を米食品医薬品局(FDA)と交わした。
ラエリアンは事故で子供をなくした夫婦の要望で、
体細胞クローン技術を応用して、
その子供と遺伝的にほぼ同一のクローン赤ちゃんを
誕生させる計画を進めていた。
米国ではクローン人間づくりに対する法律はなく、
現在、議会がクローン人間禁止法の制定に向けて審議している。
FDAは安全性が確立していないことなどを理由に、
クローン人間づくりを認めておらず、
FDAはラエリアンに対して中止を求める文書を送っていた。
一方、地中海沿岸国で
クローン技術を利用した不妊治療を計画している
ザボス米ケンタッキー大名誉教授らは
引き続き準備を進めているとのことだ。
ラエリアンとクローン人間についての経緯については、
7)「クローン・クローン・クローン」を参照されたし。
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極楽座連載エッセイ「設計図」第24回テーマ
「代理母」
流音弥(2001年7月2日)より







