ブルセラ症の悲劇
6月16日の朝日新聞に、
一瞬目を疑うような記事が掲載されていた。
「ブルセラ症か 獣医師ら発熱 川崎の動物園休園」
「ブルセラ症」。。。
あの一時期話題になった「ブルセラ」か?
しかし、熱を出すほど熱中するなんて、
獣医もストレスたまっているんだな〜。
などと思いながら、記事を読んでいくと、
どうやら、本当に「ブルセラ症」なる感染症が実在するらしい。
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ブルセラ症は、動物にも人にも感染する、
「ブルセラ属菌(Brucella)」によって引き起こされる。
1987年に初めて、ブルセラ属菌を分離した
外科医のデヴィッド・ブルースにちなんで
この名がついている。
ブルセラ菌は
人から人へと感染せず、
動物からのみ人に感染して
病気を引き起こす。
このタイプの感染症を 「動物現性感染症」という 。
ブルセラ菌は感染動物の乳や乳製品を摂取したり、
感染動物やその死体、血液、尿、排泄物、
流産時の組織などと接触することによって感染する。
主に感染する動物としては、
ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ラクダ、バファローなど
偶蹄類が多い。
また、イヌの感染症としても知られている。
ブルセラ菌の一種、
イヌ流産菌(ブルセラ・カニス)
という 細菌の感染によって発症し、
メスの犬では流産・死産、あるいは不妊などの原因となる。
成犬が死亡することは無いが、
効果的な治療法は無いそうだ。
愛犬家は是非、気をつけて欲しい。
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偶蹄類に感染する事が多いせいか、
酪農・農業従事者、獣医師、屠畜場従事者などで、
職業的感染の危険性が高い。
今回の感染も シベリアヘラジカの出産に立ち会った
獣医師と飼育係の計5人が発熱や悪寒を訴えたことから、
発覚した。
人が感染すると、インフルエンザに似た症状となり、
体温変動の激しい波状熱と呼ばれる発熱や悪寒に襲われ、
体力が低下し衰弱する。
一部では泌尿生殖器の症状が現れるという。
通常、軽症で自然治癒するが、
重症化する場合もあるという。
なお、ブルセラ菌の中で最も悪名が高いメリテンシス菌では、
人が感染しても流産をする為、注意が必要だ。
人から人に感染する可能性は極めて薄い病原菌であるが、
川崎市夢見ヶ崎動物公園は当分休園となった。
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食料、社会、生活面で動物への依存度が強い国や地域では
いまだに重要な感染症の一つであるそうだが、
日本では1999年4月以降、
人への感染が全国の保健所に届け出された例は無いとの事。
どうりで、初めて聞く名の感染症だ。
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さて「ブルセラ症」だが、
波状熱、マルタ熱、地中海熱、ジブラルタル熱
などの名前でも呼ばれる。
これらの名前の由来は、19世紀の後半に
イギリス軍の科学者によって、
この病気のヤギについての研究が行われた場所が
マルタ島であったことから来ているそうだ。
そういえば、以前、
海外の小説で「マルタ熱」の名前を目にした気がする。
「マルタ熱」で苦しんでいると言えば、
非常に聞こえがいいが、
「ブルセラ症」で入院!
なんて恥ずかしくて人には言えない。
会社にも絶対に言えない。
女子社員には相手にされなくなること間違い無しだ。
カルテにも病名の欄に「ブルセラ病」と書かれるのだろうか?
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流音弥
2001年8月1日初稿
2001年8月5日加筆







