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地球温暖化と京都議定書

7月23日、
気候変動枠組み条約第六回締約国会議(COP6)の
再会会合(ボン会議)にて、
21世紀の地球温暖化防止へのステップとなる、
「京都議定書」の運用規則について
包括的な合意に達した。


今回のCOP6再開会合は、
昨年11月のハーグCOP6会合が決裂したことを受けて、
次のCOP7(今年の10月)にまで議論を延期できないため、
特別に開かれたものだ。

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「京都議定書」とは、
1997年12月に京都にて開催された
「気候変動枠組条約第3回締約国会議」
(COP3、京都会議)で定められた
法的拘束力のあるプロトコール(条約)である。

そして議定書には、
先進国及び市場経済移行国の
温室効果ガス排出の削減義務が定められている。

議定書が正式に法的な効力を持つためには
1990年度の先進国の二酸化炭素総排出量の
55%以上に当たる先進国が
2002年9月までに批准しなくてはならない。

欧州諸国はすでに批准の意思表明をしている。
また、それぞれの目標を達成する防止策の策定が求められる。

なお、日本は、京都議定書を策定した議長国である。
それにも関わらず、
その後、日本が京都議定書に対してとった態度は
「日本は議定書を発効させるつもりがあるのか」
と各国から非難され、
結果的に国家的な信頼を失うものとなった。

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今年の3月28日には
ブッシュ米政権が議定書からの離脱を表明し、
それ以来、 京都議定書は破たんの危機にさらされてきた。

フライシャー報道官の記者会見で、
「ブッシュ大統領は京都議定書を支持しておらず、
 米経済の利益にもならない。」

地球温暖化が進んだら、
自国の経済もへったくれもないのだが。。。

ブッシュ政権は、
基本的に産業寄りの政策であると言われている。
エクソンなどの石油企業の支援を受けており、
特に、環境問題については、消極的である。

だが、選挙公約で火力発電所からのCO2直接規制を
掲げていたというのだから、
まさしく公約違反だ。

公約違反しても、
米国の大統領でいられるのだ。

5月17日、ブッシュ政権は
発電所を1900基ほど新設し、
エネルギー供給拡大をはかるという
新しいエネルギー政策を発表した。

しかもその大半は火力発電所。 やれやれ。。。

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世界最大の排出国である米国抜きでは、
議定書が発効するためには欧州だけでなく
日本とロシアの批准が不可欠である。

日本は温室効果ガスの基準である
1990年のCO2排出量で8.5%をも占め、
動向次第では議定書を死に追いやることも可能だ。

ところが、日本は今回のボン会議では、
米国の議定書復帰にこだわり、交渉の先送りを試みた。

日本政府は、これまで、
米国の同時批准無しでも「京都議定書」に批准する
との意思表明をしていない。

これは、米国を引き戻すためには、
より現実的な運用規則が必要である、
という大義名分のもと、
実の所は、米国をだしにして、
日本にとって都合の良い条件(譲歩)を
引き出す為の戦略であろう。

一方、欧州連合やその他の国は、
議定書の運用方法について大きな譲歩をした。
そこまでしてでも日本の合意を取り付け、
議定書を守り抜こうという姿勢があった。

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譲歩の具体的な例とては、

1.森林のCO2吸収量に関する削減割合の緩和(拡大)

  自国に割り当てられた温室効果ガス削減率から、
  自国の森林によるCO2吸収量を
  削減量として差し引くことを認める運用ルール。

  森林による削減割合をいくつにするかで、
  その国の負担を大きく違ってくる。

  なお、日本は、最終的に
  当初の0.6%から3.8%に拡大されたが、
  これは、日本の森林の能力を遙かに上回る値である。
  日本取り込みの為の政治的判断が働いている。

2.途上国への支援金額を明示しない。

3.削減目標が達成できなかった場合の罰則規定の除外

  特に欧州連合EUは、削減義務の厳格な実施を主張してきた。
  米国が罰則規定に対して断固反対してきた。

4.排出削減が進む先進国から排出枠を買う排出量取引を認める。

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今回の包括合意は各国の妥協の産物であり、
環境問題の非政府組織(NGO)は
「抜け穴だらけの条約」と批判する。

しかし、2002年の発効を目指して
各国の共通認識ができあがり、
それに向けて一歩前進した点では評価できる。

ベストではないが、グッドだとは言える。

2002年発効に向けて機運が高まっており、
米国抜きでも議定書が発効できる準備は整った。

だが、世界最大の温室効果ガスの排出国である
米国の参加無しでは、 「議定書」の効果は期待できない。

脱退後、議定書の代替案を示すといっているが、
未だに出てこない。
今回の大幅な譲歩獲得は、
米国が復帰しやすいルール作りの為に、
日本が外交努力してきた結果とも言える。

米国の復帰の「橋渡し役」を日本がどれだけ担えるか、
日本の力量(政治力)が問われている。。。

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もっとも、今回の合意とは、
あくまでも「運用規則の合意」であり、
京都議定書の「批准」では無いところが、
まだ一難ありそうな事を物語っている。

日本の政府首脳から、
依然「規則合意と議定書批准は異なる」という声も聞かれる。

日本の批准のためには国内の制度づくりが急務だが、
CO2排出量を1990年より6%削減する
と「京都議定書」で義務づけられているのにも関わらず、
1999年度は逆に1990年段階よりも6.8%も増えているという。

新たに認められた森林吸収量(3.7%)分を差し引いても、
現在より9%強の削減が必要になるが、
実現するには、余程思い切った政策が必要だ。

1997年の京都会議以降、
車や家電製品の省エネ法改正が行われただけで、
翌年に策定された「地球温暖化対策推進大綱」にも
強制力はなかった。

森林吸収分を除くと、産業界の自主削減努力に任されている。

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京都議定書より、
「数量的な排出抑制又は削減の約束」

    

 
締約国
基準年1990年又は基準期間
おける割合(削減後の比率)
オーストラリア 108 %
オーストリア  92 %
ベルギー  92 %
ブルガリア*  92 %
カナダ  94 %
クロアチア*  95 %
チェコ共和国*  92 %
デンマーク  92 %
エストニア*  92 %
欧州共同体  92 %
フィンランド  92 %
フランス  92 %
ドイツ  92 %
ギリシャ  92 %
ハンガリー*  94 %
アイスランド 110 %
アイルランド  92 %
イタリア  92 %
日本国  94 %
ラトヴィア*  92 %
リヒテンシュタイン  92 %
リトアニア*  92 %
ルクセンブルグ  92 %
モナコ  92 %
オランダ  92 %
ニュー・ジーランド 100 %
ノールウェー 101 %
ポーランド*  94 %
ポルトガル  92 %
ルーマニア*  92 %
ロシア連邦* 100 %
スロバキア*  92 %
スロベニア*  92 %
スペイン  92 %
スウェーデン  92 %
スイス  92 %
ウクライナ* 100 %
グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国  92 %
アメリカ合衆国  93 %

*市場経済への移行の過程にある国

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地球温暖化防止京都会議
http://www.env.go.jp/earth/cop3/
温暖化とは、温暖化防止の施策、
地球温暖化防止京都会議について、
京都議定書の和訳など

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/kiko/cop3/
97年12月に京都で開催された
気候変動枠組条約第3回締約国会議
(COP3、京都会議)に関する情報サイト。
主要国の提案内容、記者会見の記録、
京都議定書の骨子、京都イニシアティブの内容等。

G.W.(Global Warming)ブッシュ問題特設ページ
http://www5b.biglobe.ne.jp/~change-c/Bush/top.html

地球温暖化リンク集@サイトナビ
http://www.kenkounavi.net/site/ondanka.htm

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極楽座連載エッセイ「設計図」第28回テーマ
「地球温暖化と京都議定書」
流音弥(2001年8月6日)より

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