出産選考度スコア
前回のエッセイで、
自分の卵子で無くても子供を産むかどうか
この点についてはいろいろと議論が分かれる
と述べた。
この種の問題は、非常に微妙な問題であり、
本来は、当事者でない者が口出しすべき事ではないのだが、
日本の場合、卵子提供者を選べないという制約があるからこそ、
今回のように、わざわざ米国で提供者探しとなったのである。
先日問題になった代理母問題や
精子バンクに代表される非配偶者間人工授精(AID)問題など、
日本の厳格な規制を逃れて、ますます海外流出が続いていく。
そこで、今回、これらの問題の論点を明確にするために、
卵子提供者、精子提供者、出産提供者の組合せを整理し、
出産選好度スコア表を作成してみた。
心理学を専攻あるいは学んだ方ならば、
なじみあるスコア表である。
ちなみに、私は卒論の為に
計量心理学、比較心理学を勉強せざるを得なかったのだが、
その後の人生で、今初めて役立っている。
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女性の心理から、
自分の卵子であり、
夫の卵子であり、
自分が出産する場合
が最も選好度が高いと仮定した。
また、それぞれの要因に与えるカテゴリースコアは
<卵子提供者要因>
1:自分、 2:姉妹・母、 3:完全第三者
<精子提供者要因>
1:夫、 2:夫の兄弟・父、 3:完全第三者
<出産者要因>
1:自分、 2:姉妹・母、 3:完全第三者
とした。
すなわち、これらの組合せによる合計点が小さい場合ほど、
選好度が高いのである。
※なお、( )の中は合計点である。
卵子×精子×出産 出産選好度スコア表1
|
卵子提供者
|
精子提供者
|
出産者
|
||
|
自分
(1) |
姉妹・母
(2) |
完全第三者
代理母(3) |
||
|
自分
(1) |
夫(1) |
111(3)
|
112(4)
|
113(5)
|
| 夫の兄弟・父(2) |
121(4)
|
122(5)
|
123(6)
|
|
| 完全第三者(3) |
131(5)
|
132(6)
|
133(7)
|
|
|
姉妹・母
(2) |
夫(1) |
211(4)
|
212(5)
|
213(6)
|
| 夫の兄弟・父(2) |
221(5)
|
222(6)
|
223(7)
|
|
| 完全第三者(3) |
231(6)
|
232(7)
|
233(8)
|
|
|
完全第三者
(3) |
夫(1) |
311(5)
|
312(6)
|
313(7)
|
| 夫の兄弟・父(2) |
321(6)
|
322(7)
|
323(8)
|
|
| 完全第三者(3) |
331(7)
|
332(8)
|
333(9)
|
|
<考察>
1.ピンク(3)、だいだい(4)、赤(5)までが、
現実的にありそうな出産パターンであろう。
これらは、(1,1,1)(1,1,2)(1,1,3)(1,2,2)の
順列組合せ、
1+3+3+3=合計10パターン存在する。
2.最低1つは、得点「1」が存在し、
得点「3」が2つ存在することはない。
3.この表では矛盾が多く見られる。
例えば、
231:卵子(2)&精子(3)&出産(1)
=姉妹・母の卵子&完全第三者の精子&自分が出産
222:卵子(2)&精子(2)&出産(2)
=姉妹・母の卵子&夫の兄弟・父の精子&姉妹・母が出産
の合計スコアが同じ6である。
常識的に判断すれば、パターンの選考度は
231<222 (231の方を好む) となるはずである。
従って、自分の卵子、夫の精子、自分が出産の各スコアを
他のカテゴリーに比べて得点距離を離す必要がありそうだ。
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出産選好度スコア表1を改良したのが、
出産選好度スコア表2である。
それぞれの要因のカテゴリーに与えるスコアは
<卵子提供者要因>
1:自分、 4:姉妹・母、 5:完全第三者
<精子提供者要因>
1:夫、 4:夫の兄弟・父、 5:完全第三者
<出産者要因>
1:自分、 4:姉妹・母、 5:完全第三者
とした。
卵子×精子×出産 出産選好度スコア表2
|
卵子提供者
|
精子提供者
|
出産者
|
||
|
自分
(1) |
姉妹・母
(4) |
完全第三者
代理母(5) |
||
|
自分
(1) |
夫(1) |
111(3)
|
114(6)
|
115(7)
|
| 夫の兄弟・父(4) |
141(6)
|
144(9)
|
145(10)
|
|
| 完全第三者(5) |
151(7)
|
154(10)
|
155(11)
|
|
|
姉妹・母
(4) |
夫(1) |
411(6)
|
414(9)
|
415(10)
|
| 夫の兄弟・父(4) |
441(9)
|
444(12)
|
445(13)
|
|
| 完全第三者(5) |
451(10)
|
454(13)
|
455(14)
|
|
|
完全第三者
(5) |
夫(1) |
511(7)
|
514(10)
|
515(11)
|
| 夫の兄弟・父(4) |
541(10)
|
544(13)
|
545(14)
|
|
| 完全第三者(5) |
551(11)
|
554(14)
|
555(15)
|
|
<考察>
1.さて、出産選好度スコア表1の231,222に相当するのは、
451:卵子(4)&精子(5)&出産(1)
=姉妹・母の卵子&完全第三者の精子&自分が出産
=合計10
444:卵子(4)&精子(4)&出産(4)
=姉妹・母の卵子&夫の兄弟・父の精子&姉妹・母が出産
=合計12
となり、パターンの選考度は
451<444 (451の方を好む)となった。
つまり、人の心情に矛盾しない、
妥当なスコア関係が表現されたといえる。
2.ピンク(3)、だいだい(6)、赤(7)までが、
現実的にありそうな出産パターンであろう。
これらは、(1,1,1)(1,1,4)(1,1,5)の順列組合せ、
1+3+3=合計7パターン存在する。
3.最低2つは、得点「1」が存在することが条件である。
4.今回の高齢出産のパターンは、
511:卵子(5)&精子(1)&出産(1)
=完全第三者の卵子&夫の精子&自分が出産
=合計7
であり、全くあり得ない話ではないのである。
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出産選好度スコア表2で付与した
この 1,4,5 というスコア距離関係が
適切がどうかはわからない。
もしかしたら、1,3,5 かもしれないし、1,6,9 かもしれない。
また、各要因間でも、
卵子提供者要因>出産者要因
かつ、出産者要因>精子提供者要因
かつ、卵子提供者要因>精子提供者要因
すなわち、卵子提供者要因>出産者要因>精子提供者要因
という選好度関係があれば、
それに応じたスコア規模を付与する必要がある。
さらに、
卵子提供者要因>出産者要因
かつ、出産者要因>精子提供者要因
かつ、精子提供者要因>卵子提供者要因
という「3すくみ状態」がおこる可能性もある。
※人の選好には、3すくみという矛盾がたびたび起こることが
これまでの実験心理学の結果からわかっているのだ。
本来ならば、アンケート調査を行って、
その結果から各要因毎の平均スコアを算出し、
そこからスコアのカテゴリを決めていくという手順が必要だ。
しかし、その時間的余裕がないので
今回は、勘で付与してみた。
勘の割には、案外と妥当な結果が出たと思う。
時間または多少のお金があれば、
このアンケートを実施してみたいと思う。
インターネット上で実施してもいいのだが、
女性の振りをして答える男性がいる可能性があるので、
正確なデータはとれないだろう。
どこかの学生さん、卒論でやってみない?
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なお、今回使用した表の著作権は流音弥にある。
使用する場合は事前に連絡されたし。
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流音弥
2001年8月13日







