恐怖の人食いバクテリア(PART1)
いやあ、暑い暑い。
夏だから当然なのだが、
今年は例年になく暑いような気がする。
などと、言っているうちはまだいい。
また今年も、「人食いバクテリア」の季節である。
発症してから、数時間から数日で
手足が壊死し(腐って)、7割が死亡するという、
恐怖の細菌、
「ビブリオ・ブルニフィカス(Vibrio Vulnificus)」
による被害者が、
やはり。。。
今年も。。。
出た。。。
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7月15日の朝日新聞によると、
熊本県八代郡在住の男性3人が発症し、
うち1人が死亡、2人が重症とのこと。
7月12日夕方にコチの刺身を食べた50代の男性は、
発症し、壊死性筋膜炎による敗血症で14日朝死亡。
重症の60代、70代の男性は、
いずれも発症前にシャコを食べていた。
3人の共通点として、いずれも肝臓病にかかっていた。
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真っ赤にただれる皮膚。
瞬く間に腐る筋肉。
最後は全身が紫色に変色。
血液は破壊され、
まだ生きている人間の血液が、
死亡した人間の血液と同じ状態になる。
これまで、遺族や生還者が明らかにした
「恐怖の人食いバクテリア」症状の実体は、
耳を覆いたくなるほど残酷だ。
「ビブリオ・ブルニフィカス」が引き起こす感染症を
その症状から「壊死性筋膜炎」、
一般的には、「人食いバクテリア症」
と呼ばれている。
なお、欧米では、
「フレッシ ュ・イーター(肉食菌)」
「キラー・バクテリア(殺し屋菌)」
などと呼ばれている。
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「ビブリオ・ブルニフィカス」は、
食中毒を起こす「腸炎ビブリオ菌」の仲間で
海水中に広く生息する細菌である。
菌は濃度0.518%のやや塩分の薄い海水に生息し、
温度が20度を超えると増殖が始まる。
感染ルートとしては、
人間が生の魚介類をで食べることによって
菌が体内に入る経口感染が一般的だが、
釣り針などによる傷口からの感染も報告されている。
菌は増殖の過程で鉄分を必要とするため、
鉄分が菌にとられやすい肝硬変などの慢性的な肝疾患、
鉄分の代謝がうまく機能しない、
「ヘモクロマトーシス」(青銅色糖尿病)の患者が
感染しやすいことが分かっている。
「腸炎ビブリオ菌」は、O-157に次ぐ強力な細菌で、
激しい腹痛を伴う食中毒を発生させる。
時には、命を奪うこともある。
そして、40種類ほどあるビブリオ菌の中で最強なのが
人食いバクテリア「ビブリオ・ブルニフィカス」なのだ。
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この人食いバクテリアは、
高温を好み夏場に繁殖する。
健康な人にはほとんど感染しないが、
・肝臓が悪い人(肝硬変や重い肝障害患者)、
・大酒飲みの人(たいてい、肝臓が悪いはずだ)
・免疫不全患者(白血病、AIDSなど)
・重い糖尿病患者
・その他、抵抗力が著しく弱っている方
には、かかりやすいという特徴がある。
人食いバクテリアは肝臓で繁殖するが、
健康な人はほとんどこの繁殖は抑えられている。
ところが、重い肝疾患を患っている人では
この菌が肝臓で大繁殖し、
血液の流れに乗って全身に回ってしまう。
その為、短時間で手足の壊死等を引き起こすのだ。
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「ビブリオ・ブルニフィカス」による感染症は、
1970年に米国で初めて報告された。
日本では、初めて報告された1978年から
西日本を中心に、
全国で100人近い患者が報告され、うち7割が死亡している。
これまで、秋田での例が最北で、
東京では9例、京阪神でも10例が報告されている。
外国では生魚を食べる習慣がないので、
報告例の大半が生ガキである。
米国では、メキシコ湾の生ガキによる感染が
社会問題になっている。
フロリダ州では1981年から1992年の12年間の間に
72人が発病し、40人が死亡した。
日本でも分からないまま亡くなる人が多いとみられ、
実際には、もっと多くの患者数がいるのではないか
と見られている。
ところが、
2001年7月21の朝日新聞によると、
国立感染症研究所の調査の結果、
「ビブリオ・ブルニフィカス」の被害は、
国内で年間200人以上と推定されるという。
学会などで約20年間に約100例が
報告されていただけだったので、
これまでは、患者は年間数人と考えられていた。
また、新たに北海道や青森などでも、
それらしき患者がいたことが明らかになった。
つまり、日本全国で被害の危険性があるということだ。
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さて、「ビブリオ・ブルニフィカス」に感染しやすい人でも、
確実に予防できる方法がある。
暑い夏場には、
生の魚介類を絶対に食べない。
これだけのことなのだが、
古くから刺身文化があり、
「刺身を肴にちょっと一杯」
が好きな日本人にとっては、
夏のひそやかな楽しみの1つを奪われて、
意気消沈してしまうことであろう。
しかし、手足が腐って死ぬことを考えれば、
我慢するより仕方ない。。。
数ヶ月間、辛抱すればいいのだ。
(しかし、これがまたつらい)
また、どうしても食べたければ、
O-157などの食中毒予防と同様の対策をすることだ。
1.魚は冷蔵庫で低温で冷蔵し、
2.新鮮なうちに食べること。
3.よく真水で水洗いすること。
4.調理前後には、まな板や包丁をよく殺菌すること。
それでも、完全に防げるとは限らない。
死んでもいいから、食べたいというのであれば、
さすがに止めるつもりはない。
全ては、「自己責任」だ。
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さて、問題なのは、現場の医師の多くは
この菌についてほとんど知らないのが現状だということだ。
2000年4月の日本感染症学会で
症例報告した佐賀医大病院のスタッフには、
「こんな病気は初めて聞いた」と
治療や診断の方法について質問が殺到したという。
(2000/7/25 朝日新聞より)
初めてこの症状を見て原因が分からず、
菌の培養結果が出たのは、1週間後で、
その時には患者は既に死んでいたという例もある。
ビブリオ・ブルニフィカスは、
特殊な染色液に「染まらない」性質を持つことを知っていれば、
結果が十数分で出るので、大雑把な見当をつけ、
早く治療を始められ、患者の命を救えたかも知れない。
この菌に関する医師への情報提供が今後の課題である。
いずれにせよ、
この菌による感染の場合は時間との勝負となる。
分単位で壊死が進むのだ。
発症から1日以内に適切な抗生物質を使えば7割が助かるが、
3日たつと救命率は0%になる、という報告もある。
患者の自衛策としては、
「不安になったら、すぐ病院へ行こう」
体に変調を感じたら、急いで病院に駆け込むしかない。
例え勘違いだったとしても、気にすることは無い。
本当に感染していたら、
治療は一秒一刻を争うからだ。
そして、もし、勘違いだったら、
自分のラッキーな人生に乾杯しよう!
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さて、この「人食いバクテリア」だが、
海水温度の高い九州地区
(佐賀県、熊本県など)での発症が多い。
※この菌は、20度以上に海水温度が上がると
増殖し活発化する。
しかし、現在進行しつつある地球暖化現象により、
海水温度も上昇していけば、いずれ、
人食いバクテリアの量も、種類も増え、
発生地域も拡大していくことが予想される。
現に実際、
近年関東地方でも発病症例が増えてきているのだ。
そうなれば、
アルコール過剰摂取による肝硬変患者である、
40〜60代の男性だけでなく、
インスタント食品の食べ過ぎで肝臓障害を起こしている
20〜30代の男女も、
「人食いバクテリア」のターゲットに間違いなくなるであろう。
いや、10代の子供もその可能性がある。
もし、「人食いバクテリア」に喰われたくなかったら、
肝臓を痛めないような食事を摂ることだ。
お酒も程々にしよう。
インスタント食品も止めた方がいい。
十分な睡眠をとることも肝臓には大切だ。
その点では、私は自信がある。
「人食いバクテリア」の
間違いなく餌食となることに。。。
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流音弥
2001年8月15日







