恐怖の人食いバクテリア(PART2)
「ビブリオ・ブルニフィカス」が引き起こす感染症と
同様の症状を示すものとして、
「A群連鎖球菌」による感染症がある。
こちらは、「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」(学名)と呼ばれ、
同様に
「人食いバクテリア症(壊死性筋膜炎)」
と呼ばれることが多い。
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脚などの筋肉が急にはれ、
数時間から数日のうちにどんどん腐っていく病気。
1980年代に米国で初めて見つかった。
日本では、1991年以来150人以上の患者が確認されているが、
こちらは、死亡率が3割と、
「ビブリオ・ブルニフィカス」に比べてやや低いが、
それでも、他の感染症に比べれば高い死亡率だ。
A群連鎖球菌自体は、どこにでもいるバクテリアで、
小児の風邪の50〜60%がこの菌によるものだ。
ところが、普通なら、
ペニシリンで簡単に消失するはずのものが、
何らかの原因で劇症タイプに突然変異し、
「人食いバクテリア」となるのである。
しかも突然変異したA群連鎖球菌と
普通のタイプの遺伝子構造は全く同じであるというから、
不思議だ。
なお、こちらは、厚生省研究班ができ、
広く知られるようになり、救える例も増えてきている。
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特に注意しなければいけないのは、「妊婦」の感染だ。
妊婦の場合は、進行速度が非常に速く、
(妊婦末期は子宮に大量の血液が流れ込むため)
筋肉が腐る間もなく命を失ってしまう。
厚生省研究班の調査によると、
妊婦がこの病気にかかると、
発病から1日以内に死亡する例が多く、
しかも、その死亡率が非常に高い。
1991年以来の妊婦の感染者14人中、
命が助かったのが1名だけだという。
症状 は共通している。
38度を超す発熱、
吐き気や下痢を訴え、
陣痛が急に起きる。
胎児の心音も異常になり、
胎内で死亡することもある。
死亡した人を調べると、
のどと子宮が溶血性連鎖球菌による炎症を起こしていた。
のどについた菌が、子宮に入り込んだとみられる。
この菌はどこにでもいる菌で、
感染しても、たいていはのどがはれる程度ですむ。
ところが、
・妊婦
・腎臓疾患者
・免疫不全患者(白血病、AIDSなど)
・重い糖尿病患者
・その他、抵抗力が著しく弱っている方
などでは、猛威を振るうのだ。
さて、万が一、発症した場合はどうするか?
治療には早期の抗生物質投与が有効だそうだ。
早めに診断できれば、治療が間に合うという。
それには、診察した臨床現場の医師が、
発熱やおう吐、筋肉痛などの症状を見て、
「人食いバクテリア」が原因であることに気付くことが必要だ。
だが、残念なことに、
発熱、おう吐、筋肉痛の症状 だけであれば、
毎年大流行する「インフルエンザ」と
何ら症状は変わらない。
それに気付けというのは、
普通の医師にとっては、かなり酷な話かもしれない。
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流音弥
2001年8月16日







