細菌兵器の偶然と必然
ゲノムプロジェクト騒動が一段落し、
「ゲノム」という言葉自体に
違和感も珍しさも感じなくなってきた。
ところが、 5月17日朝日新聞に、
背筋を凍らせるような記事が掲載された。
世間では余り騒がれていないのだが、
バイオテクノロジーに関わる根本的な危険性を示唆しており、
紹介しておきたい。
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今年の1月に、オーストラリアの研究者が、
マウスの病原ウイルスの遺伝子を操作しているうちに、
非常に危険なウイルスが偶然にできてしまった。
この操作を人間の天然痘ウイルスに応用すれば、
さらに毒性の高いウイルスを生み出すことができることに気付き、
この研究者は恐怖を感じたという。
詳細については、英国の科学雑誌「ネイチャー」が
5月17日付けで特集記事を掲載している。
英語に自信のある方は、原文を読んでみるといいだろう。
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今回の事件において重要な点は、
細菌等のゲノム解読の為の実験
(おそらく通常それは、遺伝子組み換えを伴う)
を行っているうちに、
偶然に、危険な病原体を生み出してしまう危険性がある事を
事実を持って、改めて我々に認識させてくれた事である。
これまでは、
偶然に生物兵器となりうるウイルスができてしまうことは
理論的にあり得ない事ではないが、
現実に起こる確率は低いと考えられていた。
ところが、今回の事件はそれが絵空事でも、
科学不信者による過大妄想でも無い事を証明した。
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ある程度の実験設備があれば、
今回の事件のように、
たとえ作り出そうという意図がなくても、
生物兵器のもととなる病原体が
偶然、生まれてくることがありうるのだ。
もちろん、遺伝子操作には、
そのための設備だけでなく、
遺伝子組み換え操作の知識が必要だ。
しかし、それらの技術は既に民生化され、
大学や公的な研究機関、企業などで、
人材育成が行われている。
ある程度、実験に習熟すれば誰にでもできる技術になりつつある。
また、今や欧米など先進国のみならず、
世界中に人材が増えてきている事実もある。
仮に「偶然に危険な病原体が生まれる確率」は一定だとしても、
実験の回数自体が増えてきているため、
結果として、母数も増え、
危険な病原体が生まれるという事象も増えてくる。
また、遺伝子知識の向上、実験技術の進歩により、
「偶然に危険な病原体が生まれる確率」自体が
高まることも予想される。
このように考えてくると、
「偶然」という、
一見すると滅多に起こり得なそうな言葉の裏に潜む、
ある程度起こりうる「必然」に対して
我々は今から備えておく必要があるのではないだろうか?
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また、ゲノム情報の入手も容易になってきている。
これまで、コレラ菌や
日本でも毎夏話題になる、病原性大腸菌O−157
など多くの、病原菌のゲノムが解読されされている。
そして、これらの結果はインターネット上に公開されており、
誰でも見ることができるのだ。
いわば、爆弾の作り方を
インターネット上に公開しているようなものだと考えていいだろう。
そのHPを見て外国の小学生が爆弾を作ってしまったなどという
ニュースを思い出した。
同様のことが起こりうるだろう。
生化学専攻の大学生、大学院生、
公的研究機関の研究者、
バイオ関連企業(製薬メーカー、農作物ビジネスなど)の研究員
彼らのうちに、気が触れている者が全くいない
と言い切れるだろうか?
確率的に、精神病疾患を持った人間は
人口の数%は発生するものである。
理系の大学は、
そこで学生生活をおくったことがある者ならばわかるはずだが、
はっきり言って、変わり者の集団である。
最近は、文系の学生と比べても
見た目も性格もたいして変わらない者も増えてきているようだが、
それでも、変わり者の比率は高い。
私も、恥ずかしながら理系出身で、
(本当は、ちっとも恥ずかしくないが。。。)
学生時代は、相当変わり者だったらしい。
そんな私でさえ、
あいつは変わっている。。。
ちょっとやばいんじゃないか?
と思うような奴が
結構。。。
いた。
中には、
○ 社会的に無害な変人(ただの変わり者)、
○ 社会的に有害な変人(まさしく、マッドサイエンティスト)
がいるはずだ。
だが、彼らはまだいい。
「変人」だから目立つ。
マークするのも容易だ。
一番、注意しなければいけないのは、
外見や行動からは変人と見られないが、
内面には危険な思想を持っている者達。
彼らは、一見社会にうまく適応しながら、暮らしていくだろう。
社会に対して牙をむく機会を、狙いながら。。。
そして、もしかしたら、あなたの隣人かもしれないのだ。
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流音弥
2001年8月18日







