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ブラックジャックによろしく

講談社のコミック誌「モーニング」で、先週から、
医療をテーマにしたマンガ
「ブラックジャックによろしく」

の連載が始まった。

現在、日本には24万人の医師が存在する
人口500万人につき、1人の医師。
この比率は欧米にひけをとらないという。

ところが、日本の病院数は非常に多いため、
一つの病院当たりの医師数は極めて少ない。
つまり、医師への負荷は限界に達し、
医療過誤の確率も増えているというのだ。

技術の未熟な研修医が、
しかも、指導医不在の状態で
診察及び治療、手術を行っているという。

日本の医療現場の悲惨な実態がここにある。

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何年か前のデータ
(日本:2000年、米国:1995年頃?)
だが、
現在と余り状況は変わっていないと思われるので、
そのまま紹介しよう。

 
日本
米国
人 口
1億2500万
2億6500万
医師数
23.7万
(※1)   60万
病院医師数
15.3万
(※2) 38.8万
病院数
8205
(※3)   6500

(注)医師数とは、医療施設の従事者を指す。    
   なお、ここで「病院」とは、
   医育機関附属の病院を含むが、
   精神病院、伝染病院、結核療養所は含んでいない。
   病床数が20未満と少ない一般診療所も含んでいない。

(※1)福祉施設の医療従事者を含んでいる可能性あり。
(※2)日本と同じ病院医師比率と仮定
(※3)精神病院、伝染病院、結核療養所を含んでいるかどうかは不明

 
 
日本
米国
国民/医師
527人
442人
医師/病院
18人
59人

これらの計算は全て概算であるが、
傾向として面白い結果が見て取れるだろう。

米国における1病院当たりの医師数は
病院勤務医師の割合が日本での比率(64.6%)と同じである
と仮定して算出した値だが、
例え、その割合が実際と大きく異なったとしても、

日本:医師18人/病院
米国:医師59人/病院

という3倍強の差を埋める程にはならないだろう。

また、米国のデータは多少古いが、
それでも、同上の理由から、状況は変わらないと思われる。

さらに、上記の計算値は、
医育機関附属の病院(大学病院など) を含んだ値である。

一般に、医育機関附属病院は規模が大きく、
つまり、病床数(ベッドの数)が多い。
従って、当然、医師の数も多くなる。

医育機関附属病院の医師は
        41,101人
病院(医育機関附属病院を除く)の医師は、
       111,000人

つまり、施設数で言えば、
全体の1%かそこらの医育機関付属病院に、
全医師数の25%を占める医師が従事しているのだ。

これを除外すると、
病院(医育機関附属病院を除く)の医師は、
平均すると、わずか12人程度となる。

机上の計算であるため
他にもいろいろな要素を加味する必要があるかもしれないが、
実に驚くべき数字である。

看護婦などのスタッフが別にいるとしても、
わずか12人で、
果たして、正確かつ十分な診療、治療が行えるのだろうか?

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日本は、いつの間にか、
医師の数も、病院の数も多くなった。

これだけを見れば、喜ばしいことのように思える。

しかし、
病院に治療を受けに行った場合
あるいは、
かつぎ込まれた場合に、
その病院の医師の絶対数が不足していることから、
技術の未熟な研修医が、 しかも、
指導医不在の状態で
診察及び治療、手術を行っている可能性が高いのだ。

経験の浅い医師ほど
医療過誤(診療ミス、治療ミス)を起こす確率は高い。

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1990年には、10096あった病院(精神病院等含む)の数
次第に減少してきて、2000年には、
9226(うち、一般病院は8205)となった。

しかし、これでもまだ、多すぎるのかもしれない。

米国レベルまではいかないにしても、
一般病院数で、6000位までに減る必要はある。

現在、多くの病院では経営悪化をたどっており、

医療サービスの質の悪い病院、
医療過誤の多い病院、
接客態度の悪い病院

は、今後、みな淘汰されて行くだろう。

病院の統廃合も進んでいくに違いない。

そして、 病院当たりの医師数が多くなれば、
経営の効率化 医療の質の向上 も実現できるかもしれない。

これまで、特別視されていた医療機関にも
ようやく競争原理が働こうとしている。

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それにしても、
「ブラックジャックによろしく」は、
現在の日本の医療の抱える問題点に
鋭くメスを突きつけてくれそうで
これからの連載が楽しみだ。

マンガの良い点は、
難解なテーマを
読者にわかりやすく伝え、
理解させることができる点だ。

このような硬派なテーマを取り上げるマンガが
増えて来ることを期待している。

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参考サイト:

平成12年(2000)医療施設(動態)調査・病院報告の概況
(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/00/kekka1.html

平成12年 (2000) 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況
(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/00/

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流音弥
2002年2月10日

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