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肥満と不公平

6月19日の産経新聞によると、

米航空会社大手のサウスウエスト航空が、
6月26日から、
通常の1人分の席から体がはみ出るような
「体のサイズの大きい乗客」については
2人分の運賃を徴収することを徹底するそうだ。

ここで問題となるのは、
「体のサイズの大きい乗客」の定義である。

サウスウエストは追加運賃の対象となる乗客を
次のように定義している。
 ○ シートベルトを着用するために延長用の特殊ベルトが必要な場合
   または、
 ○ 座席間のひじ掛けを下げることができない場合

また、追加運賃を請求するのは、
乗客の搭乗便が満席かそれに近い場合に限るとしている。

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このような発表となったのは、
最近の乗客からの苦情で最も多いのが、
「隣席の客が肥満などによって自席まではみ出してくること」
だったからだという。

確かに、飛行機に限らず、
電車などでもよく見られる光景である。

私自身も何度が体験しているし、
おそらく、殆どの人が1度は経験しているはずだ。

太った人が座ると、
少なくともお尻だけで1.5人分の席幅を占有する。

また、太った人は、
その太ももの分厚い贅肉によるたるみと、
その重たい体を座って支える為の脚力の不足から、
足を平行に前に出す形で腰掛けることができないので、
左右に30〜45度、足を開く形になる。

開脚による占有幅も考慮すれば、
太った人が2倍近くの席を占有してしまうことがわかる。

にも関わらず、彼ら・彼女らは、
普通の人と同じ運賃しか支払わないのだから、
実に不公平だと言える。

また、限られた席スペースしか無い電車で、
1人で2人分の席を使用してしまうのは、
経済的にも、非効率的であるとも言える。

9人掛けの長いすに8人しか座れないのだ。

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先の場合は、電車の長いすの場合だったが、

飛行機の場合と近い状況として、
新幹線や特急列車などがある。

2人席で、あるいは、3人席で、
太った人が隣に座ったら最後、
自分が降りるか、その人が降りるまでは、
窮屈地獄 が続くことになる。

また、単に、席が狭くなるだけではない。

体が大きいという、その圧迫感が、
人に対して、大きいストレスを与えるのだ。
これを、圧迫地獄 と言う。

夏など、暑いときは、大変だ。

巨体、特に、肥満の体を維持するには、
多くの食物によるエネルギー摂取と同時に
大量の水分が必要なのだが、
暑いときは、熱を放出するために
体に蓄えられた水分が一気に汗となって対外に出る。

まさに、滝の如し汗が、
その隣に密着している(好きで密着している訳ではない)
私の服に染み込んでくるのだ。

自分の汗ならまだしも、
他人の汗によって自分の服が濡れてくるということほど
感覚的に気色の悪いものは無い。

また、太った人の体から蒸発していくときに発散する熱の凄まじさ。
蜃気楼が見えるのではないかと思うほどだ。

普通の人の発散する熱量が、
100Wの電気ストーブと同じだというが、
太った人の発熱量は、300Wに達するのではないだろうか?

寒い冬は、太った人の隣は暖かくて重宝するが、
夏は暑苦しいこと、この上無しだ。

これらを、汗攻め地獄灼熱地獄 と言う。

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太った人は、

好き好んで太っている訳じゃない!

と反論するかもしれない。

しかし、問題は、好き好んでやっているかどうかではなく、
それが、他人に対して「不公平」を発生させていることにある。

「太る」には、それなりの理由がある。

1.栄養の過剰摂取
2.運動不足
3.不規則な生活
4.遺伝

最近の研究によると、肥満は、遺伝子と関係があって、
太りやすい遺伝子の存在がわかってきた。

どんなに努力しても、太りやすい体質というのがある。
ということなのだ。

だからといって、
それを理由に本人には何の責任も無いのか?
と言えば、そうとも言い切れない。

「太りやすい」=「絶対に太る」
ということでは無いのだ。

「太りやすい」=「たくさん食べて、体を動かさなければ、確実に太る」

ということなのだ。

この微妙な差をお分かり頂けるだろうか?

自己管理をして、
規則正しい生活をし、
適度な量の食事をし、
適度な量の運動をする。

ただ、これだけのことなのだ。

もちろん、太りやすい人は、太りにくい人よりも、
多少厳しく行わなければならないが、
決して無理なことではないのだ。

「太った人」は、なんで自分だけが、
こんな苦労をしなければならないのかと思うかもしれないが、
これこそ、生まれ持った宿命である。

肥満に限らず、多くの人は、
生まれたときに、親から遺伝子を受け継ぎ、
容姿、身長、体重、運動神経、筋力、知能、病気のかかりやすさ
などがほぼ決定されてしまう。

これらは、ある程度、努力で克服できるが、
生まれつき備わっている人にはなかなか勝てない。

だが、これも宿命と思って受け入れるしかないのだ。
この与えられえたハンディの下で、
どう自分の人生を切り開いていくかは、本人次第である。

宿命に逆らわず、ひたすら溺れて、
太る道を選ぶという生き方もある。

しかし、その最後に待ち受けるのは、
糖尿病、心疾患などの肥満による疾患であり、
若くしての「死」である。

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欧米などの企業でよく言われることだが、

「肥満」の人は、自己管理能力が欠如しているので、
管理職に向かない。

だから、欧米で出世したい人は、
せっせと、スポーツジムに通ったり、ジョギングしたりして、
スマートな体作りに励んでいる。

結果的には、肥満が減っていいことなのだろうが、
「自己管理能力の欠如」
というのは、疑問が残る。

「太りにくい人が太る」のであれば、
まさに「自己管理能力の欠如」だと言えるが、
「太りやすい人が太る」のであれば、
「太りにくい人がやや太る」のと
自己管理能力は対して変わらないのでは無いだろうか?

そこで、自己管理能力を
太りやすさと結果的な肥満状態に関連付けてランキングしてみた。

 
自己管理能力ポイント表

※点数が高いほど、本人の体質に対して、自己管理能力が高い。
 ただし、3〜4点は、痩せており、逆に好ましいとはいえない。
太っている
(5)
やや
太っている
(4)
普通
(3)
やや
痩せている
(2)
痩せている
(1)
太りやすい(5)
やや太りやすい
(4)
−1
普通
(3)
−2
−1
やや太りにくい
(2)
−3
−2
−1
太りにくい(1)
−4
−3
−2
−1

この図からもわかるように、同じ太っている人でも、
その人の太りやすい体質の程度によって、
自己管理能力は違ってくるのだ。

単に、太っているという外見だけからは判断するべきではない。

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最後に:

自己管理能力の判定については、太りやすさを考慮するべきだが、
客席からはみ出る、普通の人より多くのスペースを占有する
という問題はまだ残る。

ここは、占有するスペースに応じて料金を支払うべきだろう。
飛行機の客席のように、逃げ場の無いところでは、
隣の人にとっては、はなはだ迷惑である。

航空会社へ支払う金額を2倍とするのではなく、
太った人の隣でつらい思いをした乗客の運賃の何割かを
太った人が負担するというのが、
本当の意味での公平であろう。

もちろん、航空会社は、スペースとは別の観点から、
太った人に対して超過運賃を請求することができる。

普通の人よりも体重が重いことから、
機体に対する負荷(体重)に応じて、
運賃を変えるのも良いだろう。

ただし、余りフレキシブルにすると、
運賃管理が複雑になってしまうので注意が必要だ。
だから、サウスウエスト社は、
「2倍」というシンプルな超過料金体系にしたのだろう。

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サウスウエスト航空
http://www.iflyswa.com/

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流音弥
2002年6月22日

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