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バリウム・フリー

最近、健康診断があった。
年に1度、健保組合が契約している病院で
健康診断を受けることになっているのだが、
35歳を過ぎてからは健康診断を受けるのが、
毎回とても気が重い。

なぜなら、35歳から検査項目に加わった
胃透視検査(胃のレントゲン検査)の為に
バリウムを飲まなければならないからだ。
だから、「バリウム検査」とも呼ばれこともある。

胃透視検査で使うバリウムは
正確には「硫酸バリウム」という造影剤のことで、
レントゲンを通さないという性質がある。
逆に、空気はレントゲンを通す性質がある。
つまり、胃透視検査とは、
バリウムと空気の性質の違いを利用して、
レントゲン照射によって胃や十二指腸の形を撮影し、
その形から異常な部位を発見する検査なのだ。

だが、私を悩ますのは、まさしくこの「バリウム」なのだ。
胃透視検査の直前には必ず、
このバウリムを含んだ白いドロドロ状の液体
(実際には、これを「バリウム」と呼んでいる)
を、紙コップ1杯分、飲み干すことが要求される。

しかも、一気飲みである。
「それ、イッキ、イッキ、イッキ、イッキ♪」
一気飲み自体、学生のコンパ以来久しいのだが、
ビールではなく、この「マックシェイク」もどきでヤレ!
というのだから実に非人道的な検査だと言えよう。

マックシェイクのように
粘度が少なく、とりあえず「おいしい」飲み物であれば、
全く問題は無いのだが、
バリウムを同じように飲み干すには、いくつもの障害がある。

まず、バリウムはドロドロしていて、飲みにくい
お粥のようなサラサラしたドロドロさではなく、
もっと粘度が高いドロドロさだ。
例えて言えば、
液体ノリのドロドロ感に硬い粉が混じったざらつき感。
舌の上を通過するのに、喉を通過するのに時間がかかる。
この感触が不快であり、かつ、イライラさせる。

次に、バリウムは何と言っても味がまずい
これでも以前よりはだいぶましになったんだ
とは年配の人からよく聞かされるのだが、
それにしたってまずい。

一応、バニラ風味になってはいるのだが、
味自体はバニラでも、喉越し感がドロドロなので、
結局総合的には「まずい」のである。

味覚というものは、「舌」への刺激だけでなく
「喉」を通過する感触も含めて総体的に知覚されるものだ。
それらのバランスが悪ければ、「まずい」と感じるのである。
従って、仮に
「ストロベリー風味」や「コーヒー風味」を導入したとしても、
やはり「まずい」と感じるだろう。

あの「ドロドロ感」を解消できたら、状況は一変するのだろうが、
それには、バリウムの濃度を低下させる必要がある。
しかし、それでは、
バリウムのレントゲン遮断能力も低下する為、
キレイな画像が得られない。
撮影する機器側の改良も必要である。

実は、私は20代の後半、別の企業に在籍していた時に、
健康診断でバリウムを飲んだことがある。
健保組合が異なると、検査項目も違うようである。
その時の、バリウムの量は半端じゃなかった。
マックシェイクで言えば、「Lサイズ」である。
一気飲みなんて軽い軽いと思っていた若かりし日の私も、
あれには圧倒され、泣きたくなった。
気持ち悪い喉越し感、
その量の多さからうんざりするバニラ味
(味自体は今と余り変わらない)
途中で吐き出したくなるのをこらえながら、イッキ、イッキ♪
まさしく拷問以外の何物でもなかった。

それに比べ、今回飲んだバリウムは、「Sサイズ」だ。
確か、昨年もこれ位の量だった。
以前のLサイズに比べたら、Sサイズなんて可愛いものだ。
なんとか飲み干せるのではないか
というような気を起こさせてくれる。
少量のバリウムでも撮影できるようになったのは
造影技術が進歩した為だろう。
技術の進歩は人の幸福に貢献することを実感させられる。

だが、この程度の技術革新ではまだまだ十分だとは言えない。
味を改良する、
飲みやすさを改良する
量をもっと減らす
など、希望を言えば切りが無い。

ところで、バリウムの味についてだが、
先日、ネット上で恐ろしい情報を入手してしまった。
バリウムの味をおいしくする技術は既に開発されているが、
実は、わざとまずくしているというのだ。

おいしいものを食べると胃液が分泌される
すると、せっかく苦労して飲んだバリウムが
胃壁から洗い流されてしまう というのだ。
また、
おいしいものを食べると胃が動き出す

余りのおいしさに胃が嬉しがって踊りだす
なんて想像もしたくないが、
胃がボヨボヨ動いていたら胃細部が撮影しにくくなる。

以上の2つの理由から、
食事に対するヒトの胃の反応が変わらない限り、
今後も、おいしいバリウムは作られることはない

こうなったら、最後の手段だ。
バリウムを飲まずに胃検診をできないのか?

そうなれば、「バリア・フリー」ならぬ、
「バリウム・フリー」となり、
健康診断を受けることに対する抵抗が少なくなる。
結果として受診率が向上、
疾患の早期発見率も向上するのではないだろうか?

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参考サイト:

胃バリウム検査・前編
http://www6.ocn.ne.jp/~kanno/mdl1.html
胃バリウム検査・後編
http://www6.ocn.ne.jp/~kanno/mdl2.html

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流音弥
2003年8月12日

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