冷凍精子
5月25日のロイターによると、
英国マンチェスターの病院で、
21年間冷凍保存された精子を使って、
体外受精・妊娠・出産に成功したそうだ。
これまでの冷凍保存精子による出産の成功例では、
今回の21年の冷凍期間が最長だという。
精子は、父親が17歳の時に睾丸癌であると診断され、
治療に先立ち精子を採取し冷凍保存したもの。
睾丸癌の治療は成功したものの、
無精子症と診断され、
(治療による副作用と推測される)
今回の冷凍精子の解凍・体外受精・出産となった。
21年という長期間にわたり、
男性の精子を受精能力を維持したまま冷凍保存する
ことに成功したことは、
若い男性癌患者にとって朗報かもしれない。
新聞記事でも画期的な成功と持ち上げている。
だが、私は一抹の不安を覚える。
確かに出産には成功したかもしれないが、
赤ちゃんの身体機能に問題は無いだろうか?
冷凍保存されている間に、
精子の遺伝子に異常は発生していないだろうか?
長期間細胞を保存すると、
その間にDNAが破壊されるという話はよく聞く。
その危険性はないのか?
冷凍精子は電子レンジでチンすれば出来上がり!
という訳にはいかない。
出産成功はあくまでも単なるスタートに過ぎない。
赤ちゃんが成長していく過程で、
何ら身体や精神に問題が発生しないことが証明されて、
初めて「成功」だと言える。
現時点では、
決して手放しで喜んでいい段階ではない。
父親、そして母親の
子供を持ちたいという気持ちはわからない訳ではないが、
もし、そのエゴにより、
生まれてきた子供がつらい思いをするのであれば、
私は納得いかない。
もっともこの種の問題は、
赤ん坊に身体機能異常が高い確率で予想される場合は、
生むべきでないのか?
という議論に行き着く。
高齢出産はするべきではないのか?
親に遺伝病がある場合は?
・子供を生む権利、
・子供が生まれる権利、
・子供が健康に生まれる権利
・子供が健康に育つ権利
様々な権利の主張が交錯する。
何十年か経った後に初めてわかるだろう。
今回生まれた赤ん坊は、
生まれてきて良かったと言えるかどうか。。。
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流音弥
2004年5月26日







