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患者の視点に立った病院受付システム

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さて、病院に到着した後、
病院入り口の中にある記入台で、
問診票に怪我をした日時や怪我の場所などを記入し、
それを持って、受付の列に並んだ。

朝9:30でしかも月曜日の為か、
病院内は込んでいた。
受付窓口では、私の前に20名ほど並んでいた。

タクシーの中で5分ほど座って休んだとはいえ、
右足をかばって立つ私の左足の疲労はピークに達していた。

いい若いもんが何を言うか!

と思われるかも知れないが、
実際に片足でどれだけ立っていられるか試してみるといい。
おそらく、1分間だけでもかなりの疲労を感じるはずだ。
3分間それを持続できれば大したものだ。
筋肉番付に出場できるかもしれない。

人は、
右足左足に交互に定期的に重心を移動させることによって、
はじめて長時間立ち続けることが可能になるのだ。

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さて、結局、私は、
自分の番が回って来るまでの、15分間を
疲労と痛みから来る苦しみに耐え続けなければならなかった。

時間の流れるスピードというものは、
その人の、その時点における、
精神状態、肉体状態によって異なってくる。
特に、何もせずに、ひたすら待ち続けるだけの時間は
長く感じるものである。
これに耐え難い苦痛が加われば、
1秒が永遠にさえ感じられるのだ。

私にとって、この10分間は、まさに、永遠であった。

左足のしびれで足の感覚が無くなり、
もはや立っていられないと感じた時、
ようやく私の番になった。

受付係に問診票を差し出し、
ケガに関するいくつかの質問への受け答えを終え、
ほっとした瞬間、受付係が発した言葉に
私の堪忍袋の緒が切れた。

「それでは、この「診察票」をお渡ししますので、
 ○○科の窓口へご提出下さい。
 ただ、その前に、隣の受付機械で、
 診察を受ける診療科の「受付票」をお取り頂き、
 「診察票」と一緒に窓口にご提出下さい。
 「受付票」の番号順に呼ばれます。 」

つまり、銀行などと同様に、
まず、受付機械で
「受付番号」の記載された受付票を受け取ってから、
この「受付窓口」に来れば良かったのだ。

そうすれば、私が「受付窓口」の前で並んでいた15分間に、
受付機械が他の患者に対して発行した受付番号の数だけ
早く診察が受けられたに違いないのだ。

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私は、受付機械で受付票を受け取り、
感覚が麻痺した左足をなんとかコントロールしながら、
病院の「総合窓口」に向かった。

そして、窓口係の女性に対して、
時間を無駄にしたこと、
受付の手順について、どこにも表示が無い
のは問題があることを早口にまくし立てた。

窓口係は、冷静に、
「受付の誘導がまずいため、
 時間を無駄にしたことについて
 腹を立ててらっしゃるというクレームですね!
 今後の参考にさせて頂きます。」

と言った。

私は、あきれてモノを言う気力も失っていた。

なぜ、「申し訳ありません。」
の一言が無いのだろう?

病院は、サービス提供者であり、
患者は、サービス利用者であり、お客様なのだ
ということがわからないのか?

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それにしても、この病院は、受付誘導のまずさが目立つ。

特別難しいことを要求している訳ではない。
単に、患者への気配りができているかどうかという問題なのだ。

例えば、次のような内容を記載した、
誘導看板、あるいは誘導ポスターを
院内の受付付近の目立つところに設置しておく
だけで済むことなのだ。

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新規に受診を希望される患者さんへ

新たに受診を希望される患者さんは、
次の手順で受付の手続きをして下さい。
不明点があれば、総合窓口にお問合せ下さい。

1.入り口の記入台にて、問診票に
  受診される科、
  病気やケガ、過去の病気などについてご記入下さい。

2.受付機械で「受付票」をお取り下さい。
  「受付票」に記載されている「受付番号」の順番に
  診察致しますので、必ず、最初にお取り下さい。
  (※ 1と2は逆でも良いような気もするが。。。)

3.受付窓口までお越し下さい。「診察票」をお渡し致します。

4.「診察票」を受け取られましたら、
  診療科の窓口に「診察票」と「受付票」を提出して下さい。
  受付番号の順にお名前をお呼び致します。

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さて、ここまで読んで、賢明な読者の皆さんなら
この病院の受付の根本的な問題点に
気が付かれたのではないだろうか?

それは、「受付窓口」で患者を並ばせていることだ。

そもそも、病院とは、
怪我をしたり、病気になったりして、
体の具合が悪くなり、生活動作にも支障が出た
患者(故障者、病人) が来る所なのだ。

それにも関わらず、
患者を受付窓口の列に
10分間
も、
立たせて

並ばせる
事自体が問題なのだ。

10分間立ち続けることは、健康な人でもつらいことだ。
怪我をしたり、病気になって体力が低下した患者ならば、
その何倍、いや何十倍もつらいことなのだ。

そのことを理解していれば、
患者に立って「並ばせる」ことなど、
本来は、あり得ないはずなのだ。

私以外にも、
苦痛を我慢して並んでいた患者は絶対にいるはずだ。
それでも、従順な患者である我々は、文句も言わず、
おとなしく並んでいた。

私は、現在後悔している。
なぜ、あの時、「総合窓口」の係員に、
受付の「誘導」のことしか苦情を言わなかったのだろうと。

体力の低下した患者に対して、
しかも、病院のお客様である患者に対して、
むち打つような対応だけは止めてもらいたいものだ。

もし、別の病院が近くにあって、
その病院の方が、患者を大切にする方針を打ち出し、
患者の視点で医療サービスを提供するのであれば、
絶対に、患者はその病院の方を選ぶだろう。

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最後に、
病院の受付窓口で
患者を立たせて並ばせずに、
患者に苦痛を与えずに
受付処理を可能にする方法を考えてみよう。

簡単なことだ。

受付窓口の前に待機スペースを確保し、
そこに、イスまたはソファーを並べておけばいいのだ。

つまり、完全に、銀行と同じシステムにするのだ。
先の病院の場合は、中途半端に同じであったから問題なのだ。

1.来院した新規の患者は受付機で
   「受付番号」が記載された「受付票」を受け取る。
  (この時、問診票への記載は済ましている)

2.「受付票」を持って、待機スペースのイスに座って、
  受付番号が呼ばれるのを待つ。
  座っているので疲れないし、
  本を読んだりしながら待つことができる。

  また、受付窓口の上には、電光掲示板で、
  番号を呼んだがまだ、受付処理が済まされていない番号が
  全て表示される。
  呼ばれたのを聞き逃したり、トイレに言っていたりしても
  これで安心だ。

3.受付窓口の係から番号を呼ばれたら、立ち上がって、
  受付窓口まで行って、「受診票」を受け取り、
  受付処理を完了する。

4.各診療科の窓口に「受診票」を提出する。
  当然、各診療科の窓口の近くには、待機スペースがあり、
  そこのイスに座って、名前を呼ばれるまで待つことになる。

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流音弥
2002年3月19日

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