改造人間、ギプス男!
---------------------------------------------------
「うわぁ〜、やめろ〜!」
「おのれ〜、ショッカー〜、私に何をするんだ〜!」
医師による骨折診断後、
30分以上も処置室で待たされたあげく、
私の改造手術(処置)が開始された。
改造手術を担当するのは、
ショッカー医療班所属の2名の男性。
服装をみると、医師とは違うようだ。
おそらく看護士なのだろう。
出来れば、 若くてきれいな看護婦に処置して欲しかったが、
いろいろな意味で、体力のある看護士の方が、
整形外科では適任なのだろう。
---------------------------------------------------
「ずいぶん、腫れているじゃないか?」
私の紫色に変色し、膨れ上がった右足を見て、
片方の看護士が、珍しそうに言った。
どうでもいいから、早く処置してくれ。
私は、何より待たされるのが大嫌いなのだ。
吉野屋や、まつ屋に入っても、
1分以内に注文を聞かれない場合は、
そのまま、お店を出てしまう。
普通の飲食店ならば、
3分までなら待ってやる。
それ以上待たせるような失礼な店に用は無い。
受付を済ませてから、4時間も待たされ、
さらに、処置まで30分も待たされた。
その時間に対して、時給を払って欲しいくらいだった。
時給1000円だとして、4500円。
待つだけで4500円くれるなら、おいしいバイトだ。
---------------------------------------------------
診察待ちの時間潰し用に、
仕事関係の本を持って来たのは正解だった。
難しい本というのは読み始めると、すぐに眠たくなるものだ。
私は、20分間読んでは、40分間寝る
というサイクルを4回繰り返したことになる。
それにしても、
病院では眠りガスでも流しているのではないか
と思えるほど、眠くなるのはなぜだろう。
通勤電車での行き帰りよりも、はるかに快適に眠れる。
他人と体が接触していないから、当然なのかもしれないが、
自宅の寝床以外で、
これほどのんびり眠れる場所はそうは無いだろう。
いや、1つだけ心当たりがある。
平日午後2〜4時頃の電車だ。
春の日差しが、私の背中を暖める。
車内は空いていて静かだ。
会話をしている人がいても、気にならない。
つい、うとうととなる。
時々、電車が駅で停車する時の振動で目が覚めるが、
不快感は無く、すがすがしい目覚めだ。
そして、電車が動き出すと、また、つかの間の眠りに落ちる。
この安らぎが永遠に続いてくれればと祈りたくなる。
病院での眠りは、まさに、これに近い。
3分でも待つのが苦手な私が、
4時間近くも病院で待つことができるのは、
病院が快適なスリーピングスペースであるからなのだ。
---------------------------------------------------
さて、私の改造手術の方に話を戻そう。
処置は足をギプスで固定するだけの簡単なものだ。
私は、これまでギプスを付けたことがない。
もしかしたら、幼少の頃にあるかもしれないが、
以前も述べたように、私の幼少時の記憶は殆ど無い。
記憶に無ければ、経験していないのと同じだ。
ギプスの装着は、
石膏を厚く塗りたくって固めるものだと思っていたが、
実際は、もっとスマートな方法であった。
レトルトカレーのパックがいくつも連なったようなものを、
患部の周囲に巻いていって、
その姿勢でしばらくじっと動かさずにいると、
そのままの形で固まって、固定されてしまうのだ。
お〜、素晴らしい!
こいつは便利だ。
処置するのに石膏などで手を汚さずに済む。
しかも手軽だ。
最近の医療技術(化学技術と言うべきか)の進歩は素晴らしい。
(もっとも、私が知らないだけで、
以前からある技術なのかもしれないが。。。)
いいな〜、いいな〜、これ、欲しいな〜。
珍らし物好きの私のいつもの癖だ。
東急ハンズに売っているかな?
しかし、一体何に使えるかな?
最近、やや出てきたお腹に巻いたらどうかな?
X脚やO脚の矯正に使えないかな?
女性の胸の形の固定にはどうだろう?
もしかしたら、顔の形も固定できないかな?
そんな馬鹿げた妄想を考えている内に、
私の改造手術はあっという間に完了したのだった。
---------------------------------------------------
あとがき:
ところで、私の改造手術後の体だが、
ギプスという特殊装甲を装着した為か、
体、特に右足が重い。
おそらく、ギプスの重さは、3kg位はあるのではないか?
中学・高校生の頃に、
足首に鉛(ウェイト)の入ったバンドを巻いて日常生活を送り、
足腰を鍛えたが、まさしく、あの感触だ。
懐かしい。
骨折はしたが、ギプスによって、
私の体もさぞや鍛えられることだろう。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
流音弥
2002年3月19日







