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車椅子スポーツ

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ところで、車椅子のスポーツと言えば、
車椅子マラソン、車椅子バスケット、車椅子テニス
などがすぐに思い浮かぶ。

これらには、「下肢障害者」のスポーツというイメージがある。
そして、残念なことに、
「下肢障害者」のみが楽しんでいるという現実がある。

大抵、健常者が参加するのは、
ボランティアとして、メンバー不足を補う場合や、
「下肢障害者」の大変さを学ぶための
社会福祉勉強としての場合が多い。

だが、これらのスポーツは、
健常者が車椅子に座って参加しても十分楽しめる
のではないだろうか。

車椅子は、自転車と同じ「乗り物」だ。
ただし、下肢障害者が車椅子を使うのは、
日常生活において必要不可欠だからだ。
ただ、それだけのことなのだ。

健常者も、実際に車椅子に乗ってみればわかると思う。
「車椅子」は実に楽しい「乗り物」なのだ。

よく、車椅子の子供を見て、健常な子供が乗りたがるが、
あれこそ、自分に正直な気持ちだと思う。

こんな楽しい乗り物を「下肢障害者」しか使ってはいけない
というのであれば、それこそ逆差別だろう。

いつからか、
車椅子は「下肢障害者」が移動の為に
やむを得ず使う道具であって、
それを健常者が遊び半分で使うのはけしからん。
「下肢障害者」を馬鹿にしている。

という風潮ができてしまった。

確かにその意見、わからなくも無いが、
もし、健常者が例え遊び半分であっても、
車椅子を使うようになれば、
もっと、車椅子利用者(下肢障害者)の気持ちが、
そして、実際に車椅子を使って移動する場合の様々な苦労が、
わかるようになるのではないだろうか?

そう言えば、以前、新聞かテレビのニュースで、
高校生グループが車椅子に乗って
街に出たり、
電車に乗ってみたりして、
車椅子利用者が移動する上での不便な点や苦労を
実際に体験して知る
という体験学習の話を見たことがある。

おそらく、年に何回かやるイベント的なものだとは思うが、
それでも、車椅子利用者の視点に立つと言う意味では、
非常に実践的な学習であると思う。

何事も、
百聞は一見にしかず。
一見は微験にしかず(←造語)。
考えているだけではなく、自分で体験してみるのが一番なのだ。

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車椅子は、一般的概念からすると
下肢障害者が移動する為に用いる器具
であるが、ここでは、発想を変えて
スポーツを行うための器具
と考えてみよう。

すると、
車椅子スポーツ
という立派な競技ジャンルができると思う。

それにも関わらず、現在のように、
「車椅子スポーツ」= 「下肢障害者のスポーツ」
と限定してしまうのは、あきらかに、

身障者は健常者にスポーツで劣る

と言っていることと同じである。

確かに、身障者は健常者と同じ土俵でスポーツをしても
相手にならないかも知れない。

しかし、それは、同じ身体条件ではないからで、

もし、「健常者」が車椅子に座って競技を行えば、
それこそ、同じ土俵で競うことができる。

一見すると、「健常者」の方が「身障者」よりも
体力的に有利のように思えるかも知れない。

だが、普段から、車椅子を自分の足代わりとし、
車椅子のハンドリムを動かす筋肉が鍛えられ、
車椅子の微妙な操作も体に染みついている、
「身障者」の方がはるかに有利だとも言える。

このように、イーブン・イーブンになるのであれば、

オリンピックとパラリンピックで競技を分ける必要もない。

単に、
「車椅子マラソン」
「車椅子バスケット」
「車椅子テニス」
という種目をオリンピックに追加するだけでいいのだ。

そもそも、パラリンピックが存在する事自体が問題なのだ。

オリンピックの中に、
「身障者」でも参加できる競技を組み込めばいいのだ。

オリンピックとパラリンピックを分ける事自体に、
身障者に対する差別が存在しているのだ。 

一般的に、黒人は、体質的に、
その他の人種よりも水に浮かびにくく、
水泳に向かないとされている。

しかし、それでも、黒人水泳選手が出場する国は存在する。
黒人が大部分を占めるアフリカの国であれば当然だ。
良いタイムは出ない。
それでも、観客は惜しみない拍手を送る。

「身体の障害」は「欠陥」ではなく「特徴」である。

この認識に立って、
「健常者」と「身障者」を分断するようなスポーツ政策は見直そう。

一緒にスポーツを行い、観戦することによって、
「健常者」と「身障者」の両者の壁は無くなり
お互いに相手をを認め合い、尊敬しあえるようになるのだ。

そして、その第1歩として、「車椅子スポーツ」が適任だ。

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流音弥
2002年3月20日

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