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恐怖の松葉杖階段上り

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私は、松葉杖で階段を下りるのと同様、
松葉杖で階段を上るのがとても恐い。

松葉杖が後ろに傾いて、
そのまま頭から真っ逆様に落ちてしまったり、
松葉杖が滑って、そのまま足から滑り落ちてしまう場面を
毎回、想像してしまう。

下るときと同様に
一瞬であるが、健常足を踏み出す前に
松葉杖2本でバランスを取って体を支える瞬間がある。

わずか、2本の杖先だけでバランスをとることが
どれだけ奇跡的なことか、

松葉杖階段歩行ロボットを作ってみれば、
そのバランス感覚の難しさが分かるだろう。

階段を上る時に恐いのは、
後ろにバランスを崩して階段から落ちたら、
何にもつかまることもできずに、
止まるまで、ひたすら落ちて行かざるを得ないことだ。

想定される松葉杖による階段からの落ち方を
以下の表に整理してみた。

 
移動の
種類
階段からの落ち方
特徴
下り 足から、背中を下にして落ちる 手や足で止められる
頭から逆さまに、腹這いで落ちる 手で止められる
上り 足から、腹這いで落ちる 手や足で止められる
頭から逆さまに、
背中を下にして 落ちる
止められない

いかに、上り階段が危険であるかが分かるだろう。

私は、週何日か会社まで松葉杖で通っているが、
先日、帰宅時にアパートまでやっとこさたどり着いて、
上り階段を松葉杖で上っている途中で、
危うく転落しそうになった。

背中にはリュックサックを背負っていて、
中の手帳や本などでやや重くなっていた。

ただでも、駅から1kmを松葉杖で歩いて
ヘトヘトに疲れ切っているところに、
不安定な松葉杖による階段上り。

左足(健常足)を上の段に置いた時、
一瞬目眩がして、よろめいたその瞬間、
背中の重い荷物によって私の体は後ろに引っ張られた。

そのあとどうやってバランスをとったのかは覚えていないが、
とにかく、なぜか落ちなかった。

私の心臓の鼓動はしばらく激しく鳴り響いたままだった。

考えてみれば、コメコメ大作戦において、
米2kgが入ったリュックサックに背負って
松葉杖で歩く方法を選択していれば、
階段を上る際に同様の事が起きたに違いない。

その点で、2足歩行を選んだ私の選択は正しかったと言える。

松葉杖による階段上りは恐い

それからの私は、
時間がかかってもいいから、松葉杖は使わずに、
2足で、階段を上るようになった。

もちろん、それは、たまたま、
私の足が骨折していても、
2足歩行が不可能ではなかったからこそ、
(痛みをこらえながらも、2本足で立てるからこそ)
できることなのだ。

もし、脛骨、腓骨、大腿骨や足関節などを怪我していたら、
2足歩行など到底無理な話だ。

あえてその危険を承知しながらも、
松葉杖で階段上りをしなければならないのだろう。

このような危険な状態を国は放置して置いて良いのだろうか?

日本中の全ての階段に、
エスカレーター、またはエレベーター
を設置することを、国は義務づけるべきだ。

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松葉杖による階段上りの方法

私自身は、もう2度とこんな危険なことはやりたくないが、
2足上りのできない方の為に、
参考までに方法を説明しておこう。

1.まず、2本の松葉杖を自分の立っている段に置く。

  松葉杖健常足松葉杖
   (左)         (右)

2.その2本の松葉杖だけで体を一瞬支える。

  松葉杖___松葉杖
   (左)         (右)

  この時のバランス感覚が重要である。
  逆に、一番危険なのがこの瞬間である。

3.その瞬間に、健常足をひょいっという感じで  
  すぐ上の段に載せる。

        健常足
  松葉杖
↑↑↑松葉杖
   (左)         (右)

  なお、このとき、
  絶対に健常足の足の力で飛び跳ねてはいけない。

  飛び跳ねて上がった方が手っ取り早いと思いがちだが、
  体力は使うし、バランスを失う可能性があり、
  一番危険で最悪なパターンである。   

  2本の松葉杖だけで体を支えた状態で、
  健常足から力を抜きブラブラさせた状態で、
  目標となる段の高さまで健常足を引き上げ、
  健常足をさっと・ひょいっと目的の段の上に「置く」。

4.上の段に乗せた健常足に体重を載せ、
  重心が安定したら、
  2本の松葉杖引き上げ、健常足と同じ段に置く。

  松葉杖健常足松葉杖
  ↑↑↑        ↑↑↑
   (左)         (右)

5.以下、1〜4の繰り返し

※階段を上る時には、体の重心は、前に置くと良い。
  そうすれば、例え転んだとしても、
  後ろに倒れて落ちるという最悪の事態は免れるからだ。

※一般的に、階段を上る場合は、
  障害足はやや後方または下方に垂らしていた方が、
  健常足もスムーズに前に出しやすく、上りやすい
ようだ。

※1において、上に上ることを意識して、松葉杖を
  つい自分の立っている段のすぐ上に置いてしまいがちだが、
  それでは、余程腕力に自信が無い限り無理だと
  すぐに気づくだろう。
  いや仮に腕力があったとしても、
  力学的バランスを考えれば不可能な運動である。

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禁忌(絶対にやってはいけないこと)

以下の場合は、松葉杖で階段を上り下りしてはいけない。

1.重い荷物を背負っている時。
  →バランスを崩しやすい。

2.雨の日。または、階段が濡れている時。
  →松葉杖が滑る可能性が高い。

3.疲れている時
  →階段の途中でバランスを崩しやすい。

4.体調が悪い時。
  →階段の途中で目眩が起きれば大変なことになる。

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流音弥
2002年3月24日

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