かたっぽ靴下
---------------------------------------------------
今回、骨折してみて、はじめて役に立った物がある。
片方しか無い靴下だ。
私の洋服ダンスの引き出しには、
底に穴が空いたり、紛失したりして、
失った靴下が大事に保管されてある。
いつか役に立つ日が来るのではないかと、
大事にとってあった。
「もったいないお化け」が恐いからではない。
本当にいたらいたで面白いとは思うが、
私は、幽霊の存在は信じても、
妖怪やお化けの存在する可能性は低いと考えている。
私の「もったいながり」の性格はおそらく、
第二次世界大戦生き残りの両親を持つせいだと思う。
両親の節約する姿を見て育ったからか、
はたまた、
「もったいないと感じる性格」の遺伝子を受け継いでいるのか、
(↑環境によって形成された性格も遺伝するという説がある)
スーパーのビニル袋やお店でもらう紙袋を
捨てられずとっておくという
実に男らしくない習性なのだ。
もっとも、最近の女性はその時にいらない物は、
ドンドン捨てていく主義らしい。
私の場合は、「男らしくない」というよりも、
「今時(イマドキ)じゃない」と表現した方が適切だろう。
---------------------------------------------------
さて、相棒(パートナー)を失った靴下の使い道は、
結構あるようで意外と無いのが実状だ。
1.クリスマス用
サンタクロースがプレゼントを入れてくれるように、
靴下をつるしておく習慣が欧米にはあるが、
日本では余り見たことが無い。
そもそも、私の部屋には暖炉が無いので、
サンタクロースが侵入することはできないはずだ。
従って、クリスマス用の靴下としての使い道は
到底考えられない。
また、クリスマスは年に1度しか無いので、
ただそれだけのためにとっておくのは意味がない。
片方しかない靴下の数は年々増えていくので、
クリスマスだけにしか使用しない訳にはいかないのだ。
2.お掃除用
これはいかにも主婦的発想である。
本棚などの棚板、テレビやビデオなどに積もった
ほこりを拭くのに便利だ。
その他、窓や油汚れのひどい台所のガスレンジ回り
の掃除にも重宝する。
だが、残念ながら、
ものぐさで掃除嫌いの私がこれを使う可能性はごくわずかだ。
3.覆面用
銀行強盗や特殊任務を遂行する際に、
人相を見られない為の覆面にいいかもしれないと思って、
かぶろうとしてみたが、
ストッキングと違って靴下の伸縮性には限界がある。
せいぜい頭の先っぽまでだ。
やはり、人間の頭にかぶるのには無理がある。
そう言えば、10代の頃、飼っていた猫の頭に
靴下をかぶせて遊んだことがあったが、
あれ位の動物の頭のサイズが、
靴下をかぶせるのには一番手頃だろう。
(↑可哀想だから、絶対にまねをしないように!)
4.スペア用
やはり、靴下は履くためにあると考えた方が自然だろう。
たくさんある片割れ靴下の中で、同じような色や柄であれば、
1足として使うことができる。
逆に言えば、
新規に靴下を買うときは
既存の靴下と同じような色柄の靴下を買うようにしなければ、
スペアとしての意味をなさない。
従って、私はいつも、
限られた種類の色柄の靴下しか買わないことにしている。
ワンポイントの入った靴下など、もっての他だ。
ファッション的見地からすれば、
「イケテイナイ」
「ダサイ(死語)」
ということになるのだろうが、
一生、パートナーは得られないだろうと諦めているので、
それも気にならない。
それに、靴下の色柄よりも大事なことが
この世の中にはたくさんあるのだ。
なお、色については、さすがに1種類ということはない。
全部で5種類の色の靴下を所有しており、
毎日、履く靴下の色を変えている。
これによって、毎日同じ靴下をはいていると
周囲の人から誤解されずに済む。
だが、色数が増えた分だけ、
同じ色の靴下に穴が空く確率は減ってしまう。
同一色の靴下しか持たない場合に比べて、
1/色数 になってしまうのだ。
(ただし、各色の靴下の数が同じ場合であるが)
つまり、靴下の色数を増やすと、それだけ、
同じ色の靴下に穴が空くまで待機している
片割れ靴下の数が増える
ということになる。
5.靴下の補強布用(非常事態用)
最後に、これはできれば避けたいのだが、
お金が無い場合は、プライドなど捨てるべきだろう。
だが、それ以前の問題として、
この場合、高度な裁縫技術が必要になる。
伸縮性に富む靴下の生地を穴の裏からうまく縫いつけるのは、
それなりのテクニックが必要だ。
そして、この場合も、4と同様に
同じ色柄の靴下の生地でないと、
それこそ、みっともないことになる。
---------------------------------------------------
これまでは、片方しかない靴下の使い道としては、
以上のパターンを想定していた。
だが、今回の骨折で、
片方しかない靴下は、まさにこの時の為にある
ように感じられた。
ギプスをしていない方の足にしか靴下を履くことはできないので、
靴下を履く足は1本。
ここでは、靴下は2つで1組という固定概念は不要だ。
普段は全く使い道の無かった片割れ靴下が、
使用者の履く足が1つになったことによって、
使用上の問題点が解決され、
利用価値が完全に復活したのだ。
「かたっぽ靴下」、
とっておいて良かった。
---------------------------------------------------
関連サイト:
被服の節約
http://members.tripod.co.jp/shichan3/hifuku/hifuku.html
ストッキングの節約方法について解説
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
流音弥
2002年4月4日







