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古湿布と新湿布

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ギプスがとれた後は、
冷湿布と包帯による固定だけとなった。

最近は、医薬分業が普及してきているせいか、
私が通う病院でも翌日以降の分の湿布を渡されなかった。

処方せんも特に出なかったので、
市販されている湿布を適当に買って貼りなさい
ということなのだろう。

私が数年前に、肋骨にひびが入って、
別の病院の整形外科に通っていた時は、
一回の通院で、
湿布を2週間分は渡してくれたものだ。
(もっとも、お金は払ってはいたが。。。)

結構多めにもらっていたせいか、
当時もらった湿布剤が1袋、
まだ未開封のまま家に残っていたので、
翌日以降は、それを貼ることにした。

だが、ここである問題に気が付いた。
貼った直後のひんやり感が
30分もすると殆ど無くなってしまうのだ。
貼った直後のひんやり感自体も、少し少ないような気がする。

これは、もしかして温湿布か?
とも、一瞬疑ったが、さすがに、それはあり得無いことだった。
私は、これまで温湿布を使用した事が無いからだ。

思わず、湿布剤の袋に記載されている使用期限を確認した。

使用期限:1999.9

おいおい、今は2002年3月だぞ。
2年半前に使用期限切れとなった湿布か。。。
おそらく、製造後最低3年は経過しているに違いない。

冷えない訳だ。

だが、今、家にはこの湿布しか残っていないし、
他の湿布剤を買って来たとしても、
この古湿布を使わずに捨てるには忍びない。

ここでも、私の貧乏性が存分に発揮されて、
3日分(6枚)は残っているこの古湿布を、
とにかく使い切ることにした。

ひんやり効果の少ない古湿布を使うことによって、
治癒のスピードが遅くなる可能性も十分に考えられたが、
「もったいない」という気持ちには勝てなかった。

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それからの3日間、
自分でも貼っているのかどうか分からないほど
冷刺激の少ない古湿布を使い続け、
ついに、古湿布を使い切った。

これで心おきなく、新しい湿布を使うことができる。

やったね。

その前日、薬局で買ってきた新湿布の袋から、
湿布を取り出し、
早速患部に貼ってみる。

ひんや〜り〜!

そうそう、これ、これ、これなんだよ!
私が求めていたひんやり感は〜!

いや、私が予想していたよりもはるかに高い
ひんやり感を実現しているかもしれない。

私は、この数年間、
使用期限切れの古い湿布をずっと使用し続けていた為、
冷湿布の本来のひんやり感の程度をすっかり忘れていたのだ。

湿布がこんなに気持ちいいなんて知らなかった。

私のこの3年間を返せ〜!

と叫びたくもなったが、
悲しいかな、自業自得なので誰も責められない。

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新たな快適グッズを入手した私は、
この日は、いつもよりも足取り軽く会社に向かったのだった。

会社に着いても、このひんやり感は殆ど減少せずに残っていた。
なんと、仕事を終えて、帰宅した時も、
まだ、ほんのりとしたひんやり感が感じられた。

確かに、今回の古湿布は問題外だが、
数年前の時点で、
新湿布にこれほど冷感の持続力が
果たしてあっただろうか?

いや、そんなことは無い。
貼ってから、数時間も経てば、冷感作用は失われ、
ただの生温い白い布切れに変貌していたような気がする。

私はその度に、それらのひんやり感を復活させる為に、
水を含ませたり、氷の入った袋を上から押しつけたり、
といった、涙ぐましいいろいろな工夫をしてきたのだ。

それに、
今回使用した古湿布は、
使用期限後2年半を経過していることを考慮しても、
未開封の気密性のパックに入っていたことを考えれば、
これ程まで冷感作用が失われてしまうとは考えられにくい。

やはり、科学技術の進歩によって、
湿布のひんやり感は確実に高まっていると言えるだろう。

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流音弥
2002年4月8日

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