レジ・スタンス
コンビニのレジであなたはお金を払おうとして、
財布を開けたところを想像して欲しい。
後ろには2人並んでいる。
買い物の金額は353円。
財布の中には
1000円札が 3枚、
500円玉が 3枚、
100円玉が10枚、
50円玉が 3枚、
10円玉が13枚、
5円玉が 3枚、
1円玉が 7枚、
あなただったら、 どういう硬貨の組合せで支払うだろう?
支払い方には何種類もある硬貨と
紙幣の組合せが多数存在するが、
選択する支払い方によって、
その人の性格が大体わかる。
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◇お札派(超ものぐさ派)
01)1000円札1枚で、647円のお釣りをもらう。
◇500円玉派(ややものぐさ派)
02)500円玉1枚で、147円のお釣りをもらう
◇100円玉まで派(合理派)
03)100円玉4枚で、 47円のお釣りをもらう
◇10円玉まで派(ややきっちり派)
04)100円玉3枚+50円玉1枚+10円玉1枚で、7円のお釣り。
05)100円玉3枚+10円玉6枚で、7円のお釣り。
06)100円玉2枚+50円玉3枚+10円玉1枚で、7円のお釣り。
◇5円玉まで派(かなりきっちり派)
07)100円玉3枚+50円玉1枚+5円玉1枚で、2円のお釣り。
08)100円玉3枚+10円玉5枚+5円玉1枚で、2円のお釣り。
09)100円玉2枚+50円玉3枚+5円玉1枚で、2円のお釣り。
◇1円玉まで派(超きっちり派)
10)100円玉3枚+50円玉1枚+1円玉3枚で、お釣り無し。
11)100円玉3枚+10円玉5枚+1円玉3枚で、お釣り無し。
12)100円玉2枚+50円玉3枚+1円玉3枚で、お釣り無し。
13)100円玉2枚+50円玉2枚+10円玉5枚+1円玉3枚で、
お釣り無し。
よく考えれば、まだ、他の組合せがいくつかあると思われるが、
代表的な組合せを、とりあえずあげてみた。
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皆さんは、どのタイプだっただろう?
私の場合、基本的に1000円札を出して、
647円のお釣りをもらう、「お札」派だ。
「お札派」を別名「超ものぐさ派」と呼んでいるのは、
ちゃんと小銭があるのにもかかわらず、
小銭を取り出すのが面倒くさくて、
お札を出してたくさんのお釣りをもらってしまうからだ。
もちろん、お札を出すのは、
「超ものぐさ」な人だけとは限らない。
急いでいる時や 疲れていて思考能力が低下している時は、
お札を出してしまうことが多い。
さて、私がレジでつい、お札を出してしまうのは、
私が「超ものぐさ派」であることが最大の理由だが、
どうしても無視できないもう1つの理由がある。
それは、後ろに並んでいる人の存在が気になって、
財布の中からのんびり小銭を探し出すのに気が引けるからだ。
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駅の切符売り場で、
販売機の前に来てから、
切符代を確認して、
それから財布をカバンからごそごそ探し出し、
財布から小銭をのんびり1枚ずつ取り出す
ような 用意の悪い人がこの世の中には存在する。
私は、こういうタイプの人の後ろに並んだとき、
思わず「ちっ!」と舌を鳴らしたくなる。
時には、本当に鳴らしたりする。
それで嫌な顔をされることもあるが、
私は、そうするのに値するだけの(1〜数分間の)
貴重な時間を奪われたのだ。
被害者は私の方なのだ。
まず、切符代を確認してから行列に並ぶ。
そして、自分の番が来る前にカバンから財布を取り出し、
財布の中から必要な金額の紙幣と硬貨を取りだしておく。
それによって、後ろの人達の待つ時間が短縮されるのだ。
これは社会的エチケットと言うべきでものであり、
義務教育でもきっちり教えておくべきだ。
他人の時間を無駄にするのは犯罪に等しい。
このような時間観を持つ私は、
自分が他人の時間を無駄にしないようにも気を使う。
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だから、レジで後ろに人が並んでいる時には、
「お札派」となり、そそくさとレジを後にするのだ。
しかし、後ろに誰も並んでいない時は、
「超きっちり派」に変身する。
「隠れ超きっちり派」とでも呼ぶべきかもしれない。
お釣りが無いように
1円玉まで財布の中から
多少時間をかけてまで探し出すのだ。
1円の単位までお釣りなく支払えた時の
爽快感は何にも代え難い。
「お札派」であることが続くと、
お釣りの硬貨が財布の中で蓄積され、
多い時には5、60枚の硬貨で財布がパンパンに
膨れることがある。
1キロ位の重さにはなるのではないだろうか?
こうなると、さすがにつらい。
ただでも重い通勤カバンが、鉄アレイと化す。
そんな時は、後ろに人に並ばれないようなタイミングで
レジに並ぶようにしている。
このタイミングが結構難しい。
店内に客が多いときはまず無理だ。
誰もレジに並んでいないからと安心してレジの前に立つと
まるでそれを待っていたかのように、
次々と他の客も後ろに並び始めるのだ。
あの現象は実に不思議だ。
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さて、レジで気兼ねなく、1円レベルまできっちり支払いたい
「超きっちり派」からの提案だ。
レジに並ぶ前に、
自分がレジで支払うべき金額を知る方法はないだろうか?
もし、事前に金額がわかるのであれば、
財布から支払う金額のお金を出してから
レジに並べばいいのだ。
切符の買い方と原理は同じだ。
お釣りが少なくなるようにお金を支払うので、
財布の中の硬貨の数もそう多く溜まらないはずだ。
現在、コンビニでは、
商品に記載されているバーコードを
リーダーでチェックして商品の金額を計算している。
バーコードの欠点は、リーダーで1つずつなぞらないと
金額データを取得できない点にある。
だから、レジを通過するまでは、
自分の購入金額がわからないのだ。
だが、先日、この解決策となる新聞記事を見つけた。
商品を買い物かごから出さなくても
読みとり機でまとめて瞬時に会計が済むという
新しい情報媒体があるというのだ。
「RFIDタグ」といい、
ICチップを埋め込んだ非接触型のタグで、
情報を書き込んだり消去したり、
再利用可能な情報媒体だという。
複数のタグを一度に読みとることが可能であり、
電波で情報を送受信するので、
タグの汚れによる影響も無い。
RFIDタグのような、新型情報媒体は、
「ポストバーコード」とも呼ばれ、
スーパーやコンビニのレジ、
自動改札システム、
レクリエーション施設、
物流管理など、
様々な用途での活用が期待されている。
このRFIDタグを各商品に付ければ、
買い物かごをリーダーに通すことで、
あらかじめ購入金額の合計を知ってから
レジに並ぶ事が可能になるのだ。
唯一の問題は、
RFIDタグが1個あたり数十円もすることだ。
普及するためには、低価格化の為の技術開発が必要である。
逆に普及してくれば、価格も低下するのだろう。。。
となると、まだしばらくの間は、
バーコードの時代が続くだろう。
お釣りの小銭を気にしないで済むには、
プリペイドカードを購入するしか無いのかもしれない。
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先日の事である。
私は、会社に向かう一本道の途中のコンビニに立ち寄り、
500ccのペットボトル飲料2本を持ってレジに並んだ。
前には1人の客が会計中だ。
その時私は驚くべき体験をした。
前の客の商品を袋に入れながら、
女性の店員が、
「はい、次の方、314円です。」
なぜ、わかったのだろう?
もしかしたら、彼女は超能力者なのだろうか。
理由はすぐにわかった。
そう、彼女は商品の価格を暗記していたのだ。
バーコードをリーダーでなぞるまでもない。
もっとも、 500ccペットボトル飲料の料金は
その店ではみな一緒だから、
店員が価格を覚えていても不思議はない。
それに、もし、3個以上の、
しかも いろいろな種類の商品を買っていたのであれば、
即座に合計金額を言い当てることはできなかっただろう。
だが、顧客サービスという点でも、
レジでの待ち時間の短縮という効率化の点でも
素晴らしいソリューションだった。
もし彼女のこの行動が、店員教育によるものではなく、
彼女自身が考えたものであるとしたら
これこそ、
究極のレジ・スタンス
(レジとしてのスタンス)と言えるだろう。
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極楽座連載エッセイ「設計図」第35回テーマ
「レジ・スタンス」
流音弥(2001年10月21日)より
2001年11月3日加筆訂正







