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性・年齢・未既婚

あなたは、未婚ですか?既婚ですか?

1.未婚  2.既婚

雑誌についている葉書アンケート、
街角で呼び止められて頼み込まれて回答してあげるアンケート、
インターネットの何かの会員になる時に要求されるアンケート。

とにかく、アンケートという類のものには、
性別、年齢と並んで必ずある項目だ。
マーケティングリサーチ業界では、
「未婚・既婚」と呼ぶのが面倒臭いので、
「未既婚(みきこん)」と略すのが通例だ。

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性別、年齢、未既婚は、
アンケート結果を集計する際の分析軸として重要だ。

性別 1.男性 2.女性 3.無回答

年齢 1.10代 2.20代 3.30代 4.40代
    5.50代 6.60代 7.70代 8.80代
    9.90代以上 10.無回答

未既婚 1.未婚 2.既婚 3.無回答

これらのカテゴリーでアンケート結果を集計すると、
ある程度の傾向がつかめる。
時には、性別×年齢、性別×未既婚、年齢×未既婚
というような組合せで、
さらにブレークダウンして分析する場合も多い。

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属性分析という点では、
この何十年間 全く変わらずに
これらの項目が利用されている事には驚かされる。

現代の人は、年齢や性別、未既婚などでは、
生活行動、嗜好などをうまく説明づけることはできない、
と、20年以上も前に社会学の学者達から指摘された。

それ以来、市場調査会社や広告業界では、
その人の行動様式(思考パターン)によって
人をグルーピング(タイプ分け)し、
そのタイプ毎に分析する手法がもてはやされてきた。

特に、広告代理店などは、

マーケティングリサーチの結果、
本商品のターゲット層となる「○○タイプ」は
△△△な傾向がありますから、
□□□は×××の頻度で購入される可能性が高いです。

などと、胡散臭いセリフを吐いてクライアントを煙に巻いてきた。

だが、これらのグルーピング方法は、
分析者の主観や好みによって大きく異なり、
その結果、分析結果も大きく違ってくる。

本来、客観的かつ科学的であるはずの統計に
「解釈」という曖昧な主観的要素を持ち込んでしまった
という点で、
マーケティングリサーチの汚点とも言える。

つまり、広告代理店は、
ある商品が売れるかどうかわからない
というような市場調査結果でさえ、
「売れる可能性が高い」と説明づけられるように
上手に「グルーピング(タイプ分け)」してしまう
分析テクニック(こじつけテクニック)を身につけてしまった。

だが、これらの広告代理店のうまい口車に乗って
さんざん失敗してきたクライアント企業も、
ようやく、性別・年齢・未既婚・職業といった
「基本属性」による分析の方が客観的であり、
むしろ信頼性が高いことに気づき始めた。

そういう訳で、アンケートの基本属性項目の内容は
未だに昔と変わらないのである。

※基本属性項目は、
 回答者を識別するという意味から「フェイスシート」とも呼ばれる

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ところで、皆さんは、「未既婚」を答えることにあたって、
抵抗感、不快感を感じたことはないだろうか?

おそらく、プライバシーを話すことについての抵抗感を
あげる方が多いだろう。

確かに「未婚・既婚」はプライバシーに関わる重要な項目である。
しかし、プライバシーを話すということよりも、
むしろ、本人が自分の現状に恥じていることの方が、
回答に対する精神的負荷が大きいのではないだろうか。

その場合は、当然、質問に答えにくくなり、
無回答や時には嘘の回答をすることになる。

結局、そのような質問をする事自体が、
本来は無意味なのかも知れない。

実は、年齢についても同じことが言える。
女性、特に30代に入ったばかりの女性は、
嘘の年齢を回答することが多い。

外見に自身があれば、
33歳の女性が27歳と偽る
ことなどよくあることだ。

結局、アンケートというものは、
本人の自己申告によるものであり、
本人が正しく回答していなければ、
全く意味のないデータとなってしまう。

これに関する議論は実は、余りされていない。
これを言い出すと、
「マーケティングリサーチ」自体の
信用と存続に関わるからだ。
世の市場調査会社は、
当然、この件については口を閉ざしている。

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さて、「未既婚」を答えることについて、
答えがわからないと感じたことはないだろうか?

つまり、自分は、「未婚」なのか「既婚」なのか?

【未婚】まだ結婚していないこと。⇔既婚
           (大辞林 第二版より)

【既婚】すでに結婚していること。⇔未婚「―者」
           (大辞林 第二版より)

この定義によると、
既に結婚している人は、当然「既婚者」だ。

だが、そのあと、離婚した人の場合は、
「既婚者」と呼べるかどうか、判断に迷う。

子供がいなければ、
生活パターンは「未婚」の独身者と全く同じだ。
「未婚者」と呼んでもよいような気がしてくる。

現在、フリー(独身)なのにも関わらず、
「既婚者」と一緒にされてたまるか!
という憤りも感じる。

昔のように、いったん結婚したら、
滅多に離婚する人がいない時代ならばともかく、
現在は、自分の周りにも「×いち」が大勢いる。
1つの属性グループを形成しているとも言えるだろう。

マーケティングのターゲットとして、
「離婚者」層は、年齢層としても高く、
高い消費能力を持つグループとして、
とても魅力がある。

子供がいなければ、
独身になったという開放感から、
いろいろ、自分の為にお金を使おうとするはずだ。

このグループを識別する為の質問項目として、
従来の「未婚・既婚」では、
正確な答えは得られない。

離婚者でも「未婚」に○を付ける場合も十分考えられる。

さて、では、どのような質問項目で、
離婚者層を抽出すればいいのだろうか?

Q1.結婚経験 ・・・・・・・・・・・ 過去についての質問
   1.あり 2.なし
     ↓

   結婚経験ありの場合、
   SQ1.現在結婚 ・・・・・・・・・・・ 現在についての質問
       1.あり 2.なし

1つの質問で抽出するよりも、
このような2つの質問の組合せで抽出すればいいのだ。

この2つの質問によって、
次の3つのグルーピングが可能になる。

結婚経験あり&現在結婚あり・・・結婚継続者層
結婚経験あり&現在結婚なし・・・離婚者層
結婚経験なし・・・・・・・・・・未婚者層

しかし、ここまで詳しく聞いたら、
余りにも赤裸々すぎて、逆に答えにくいかもしれない。

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あとがき:

ちなみに、「未婚」「既婚」と似た言葉に、
「非婚」がある。

【非婚】結婚していないこと。
    あるいは結婚をあえて選択しないこと。                    (大辞林 第二版より)

この定義だと、「主義」も関係してくるので意味は複雑だ。

過去に結婚経験があっても、
結婚生活に懲りて、
「非婚」主義となる場合があるので、
曖昧な意味を持つ「非婚」という言葉は、
アンケートには使えない。

。。。と思ったが、

「非婚主義者」と「結婚主義(結婚を望む人)」の

価値観、ライフスタイル、属性
の相違を比べる為に行う市場調査であれば、

案外面白い結果が出るに違いない。

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極楽座連載エッセイ「設計図」第37回テーマ
「性・年齢・未既婚」
流音弥(2001年11月13日)より

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