トレシーの裏技
東レのトレシーに代表される、
超極細繊維製の眼鏡拭き用の布で
顔を洗うと、なんと肌がツルツルになるそうだ!
洗顔料をつけて細かい泡を立たせてから顔を拭くと、
効果的に毛穴の汚れを取ることができるという。
その為、この超極細繊維製の眼鏡拭きが
「洗顔用クロス」として爆発的に売上を伸ばしていて、
昨年の数倍の売り上げ枚数に達している。
3月に民放テレビで放送したのがきっかけで
20代、30代の女性で大流行したのだという。
TBS: 「スパスパ人間学」(2003年3月 6日放送)
フジテレビ:「めざましテレビ」(2003年3月31日放送)
トレシーの価格は、19センチの正方形タイプで500円。
他の洗顔用の製品に比べると比較的買いやすい値段だ。
この値ごろ感も、ヒットした理由の一つだろう。
これに気をよくした大手メーカーの東レとカネボウは、
同じ素材で洗顔用の布を新たに発売した。
ところで、この布で顔を洗えば、
本当に顔がツルツルになるのだろうか?
ツルツルになるというより、
テカテカに光りそうな気がする。
(眼鏡拭きの印象がどうしても強い)
ちなみに私は、
このトレシーを管楽器(サックス)の手入れに使っている。
髪の毛の40分の1(直径2ミクロン)の細さを持つ超極細繊維。
傷をつけずに汚れを効果的に落とすのに、
これ程うってつけの布は他には無いからだ。
ぬるめのお湯に浸して、やや強く絞った後、
丁寧に拭いていくと汗や唾液の飛沫もきれいに取れ、
管楽器本来の金色の輝きを取り戻す。
それにしても、本来は物を拭いて汚れを落とす為の布を
人間の洗顔に用いるなど、
どこの誰だか知らないがよくぞ思いついたものだ。
こういう意外な発想がヒット商品に結びつくことが多い。
実は、トレシーには非常に面白い開発の裏話がある。
この超極細繊維は、元々は衣服の新素材として開発されたのだが、
残念ながらすぐに汚れてしまう性質があった。
その為、素材としての使い道は無いと考えれていた。
ところがある時、
開発グループのオフィスの机の上(床かも)を試作品で拭いたら、
汚れのよく落ちること、落ちること。
これが「トレシー」という商品の誕生の瞬間だった。
汚れやすい素材
↓
他の物の汚れを落としやすい素材
これぞ、まさに逆転の発想である。
こうして、トレシーは衣服の素材ではなく、
最高のクリーニングクロスとして、
ようやく陽の目を見ることになり、
ついには東レの大ヒット商品となったのである。
商品企画担当者ならば、
普段から常識にとらわない発想を心がけたいものだ。
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P.S.
ちなみに、私は大学4年時に就職先を探す際、
東レも選択肢の1つとして、資料を取り寄せたことがある。
当時、眼鏡拭きのトレシーが発売されて大ヒットし、
それまでただの大きな繊維メーカーとされていたのが、
一躍、新商品開発力のある企業として注目され、
企業イメージが一気に高くなっていたからである。
その当時、最も勢いがある会社とさえ感じられた位だった。
面接等で東レの社員と会った時に、
「トレシー」の話題が出ないことは皆無だった。
もっとも、理系の私は、
システム系子会社に引っ張られそうになったので、
途中で東レへの就職活動を止めたが。。。
いずれにせよ、 これ程までに、ヒット商品というのは
企業イメージを左右するものなのである。
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流音弥
2003年7月11日















