一生は無い
卒業式の季節。
ショパンの「別れの曲」をバックに、
記念に互いのビデオ撮影をしている2人の女子高生。
「卒業してもさ、一生友達でいようね。」
「一生は無いわよ。」
「環境が変われば友達も変わるでしょ。」
「一生付き合えるブロードバンド!」
フレッツADSLのCMである。
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前回のCM、花嫁略奪編では、
教会から連れ出された花嫁が
「一生守ってね。」
とロマンチックに言うと、
相手の男は
「一生はないな」
「環境も変われば愛情も変わるでしょ。」
その言葉に花嫁は凍りつく。
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このCMを見たときは、
「愛情は永遠ではない」
という私の実体験から、
「まあ、そうだよなー。
どちらかというと、女の方が愛情変わりやすいよな。」
と特に驚きはしなかった。
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しかし、今回の卒業式編はかなりショックだ。
「愛情」よりも「友情」の方が永遠であるような気がするからだ。
「友情」も環境によって変わるようであれば、
我々はどんな価値観を頼りにして生きて行けばいいのだろうか?
だが、よくよく考えてみれば、
「友情も永遠ではない」
というのは確かに人生の真実なのかもしれない。
高校ではとても親しかった友人の多くが、
今は音沙汰不明である。
大学でも同様だ。
会えば懐かしいとは思うだろうが、
わざわざ探してまで会いたいとまでは思わない。
私は冷たい人間なのだろう。
だが、それは向こうも同じな訳で、
人類皆、冷たい人間なのだろう。
心の中に大事にしておきたい思い出や夢や希望、
それらを全て否定してしまうこのCM。
真実を突いているだけに、
ドキッとさせ印象に残る。
その点では成功したCMなのだろう。
だが、CMとしては面白いかもしれないが、
夢がなさ過ぎる。
それ言っちゃ終しまいだろ!
というテーマには発展性が無いからだ。
このCMは人生の悲しい一面を適確に描写していても、
そこからは何も生み出さない。
広告業界人として見ると面白くても、
血の通った人として見れば感動の無いCMであり、
その点において、非常につまらないCMなのだ。
最後に、このCMは自滅CMの典型である。
最終編のCMは次のようにしたら傑作になる。
「いつまでも、フレッツADSLを使おうね。」
「環境が変わればADSLも技術も変わるでしょ。」
「一生付き合えないブロードバンド!」
「だから、今度は光ファイバー!」
ここまで考えて一連のCMを作っているのであれば、
まさに天才だ!
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流音弥
2004年3月14日







