読み物ナビ
 
楽天トラベル 海外航空券予約 ペットと泊まれる宿
朝食付きルーム検索
鉄道沿線検索
温泉宿予約
大浴場のある宿検索
高級ホテル・旅館 プレミアム
インターネットができるルーム検索
 
楽天市場  楽天ブックス(書籍)  楽天フリマ/オークション
ダイエット 健康食品/サプリメント 健康グッズ/健康器具
ファッション ブランド品 ジュエリー/アクセサリー
美容/コスメ/香水  ヒーリング/癒し/アロマ
フラワー/ガーデニング キッズ/ベビー/マタニティ
インテリア(家具)/雑貨 キッチン/食器 文具雑貨
ペット/ペット用品 おもちゃ/ホビー/ゲーム 
チケット購入(音楽/演劇/スポーツ) CD/DVD/楽器
グルメ/食品/ドリンク お菓子/デザート/スイーツ
ワイン 日本酒 焼酎 自然食品 海産物 

つり革と椅子取りゲーム

満員電車でつり革につかまって揺られている時、
最も気合が入る瞬間がある。
電車が駅に止まり、
目の前のシートに座っている乗客が立ち上がった
まさにその瞬間である。

ここでまごついていると、
隣に立っている乗客に席を奪われる可能性がある。
一瞬たりとも気は抜けない。

前の乗客が立ち上がった瞬間に、
乗客が降りる側に身体を45度開き、
それと同時に背中で
斜め後ろ(身体を開く前は隣)に立っている乗客が
横から割り入って「私の前のシート」に座らないように
無言で牽制する。
この時、背中の広い人間ほど防御に有利である。
都合のいいことに、私は若い頃の筋トレのおかげで、
背中は広いほうだ。
バスケットで言えば、ディフェンス、ディフェンス。
背中で相手を押すくらいがちょうどいい。
もちろん、強面(こわおもて)のひとであれば当然有利である。

---------------------------------------------------

ところで、先ほど「45度の角度で身体を開く」と言ったが、
この角度はそれ以下でもそれ以上でもいけない。
もし、身体を開く角度が45度以上、例えば60度であれば、
前に座っていた乗客は
シートに対して60度の方向に進んでくる可能性が高い。
この角度が90度に近くなればなるほど、
私の斜め前(身体を開く前は隣)側に立っている乗客が、
横から割り入ってシートに座る確率が高くなる。
従って、席を奪われることを考えれば、
身体を開く角度は小さい方が良いのだが、
余り小さいと、今度は、前の乗客が降りられなくなる。

それでは余りに可愛そうだし失礼なので、
実際にその場面で身体を開く角度をいろいろと変えてみて、
その時の前の乗客の降り易さを比較検討してみた。
その結果、
45度の角度が倫理的にも防御効果的にも最適である
ことがわかったのである。

---------------------------------------------------

このように、例え目の前に座っているシートが空いたとしても、
全く気を抜けないという厳しい現実があるのだが、
それをさらに複雑化させる不条理な問題がある。

つり革の数は、通常、シートの定員数よりも多いのが普通である。
例えば、9人掛けのシートに対して、
前にぶら下がっているつり革は13本という具合だ。

こうなると、目の前のシートを狙っているのは、
自分だけでなく、両隣に立っている乗客もライバルである。
先のように完全にその席の真正面を陣取っていれば、
さすがに両隣の乗客は遠慮するが、
座っている乗客の前に、
3:7〜7:3ぐらいの比率で2人の乗客が立っていれば、
これはまさに椅子取りゲームだと言える。
しかも、2人で1つの席を奪い合うのだ。

一方の乗客が座ることに対して執着していなかったり、
控えめな性格で奪い合うのを好まなかったりすれば、
話は簡単なのだが、
いつもそういう人と隣になるとは限らないし、
そんな都合の良いことはまず滅多に無い。

という訳で、あとは体力と知力の勝負となる。
体力といっても、
体力まかせに相手を突き飛ばして席に座る
という乱暴な方法ではない。
その後、口論になったり乱闘になるなど、
後味が悪い思いをするのはできるだけ避けたい。

そこで、先にあげたような、
座っている乗客の真正面の場所を確保することに、
最大限の努力と工夫を注ぎ込むのだ。
バスケットボールで言えば、ポジショニング。
そう、ポジショニングで全ては決まる。
座っている乗客の真正面さえ確保できれば、
その乗客が降りる時にその席に座れる確率はほぼ100%。
もちろん、その乗客が最後まで降りなければ、
全ての努力は水泡となって消える。
実は、これが一番悔しかったりする。

では、どうやって、
座っている乗客の真正面の場所を確保すればいいのか?

満員電車では、
ブレーキをかけるたびに群集が前後左右に揺れ動く。
その揺れに乗じて体全体を使って相手を押し、
自分の体が乗客の真正面に来るように、
少しずつ身体を移動させるのだ。

余り露骨にこれをやると気づかれてしまうので、
事は慎重に運ばなければならない。
また、ある程度体力が無いと、相手を押すこともできず、
逆に押され返されて、さらに不利なポジションになることもある。
このポジショニング作戦は、体重が軽い人では難しいだろう。
私は運がいいことに(?)、体重が重い部類に属する。
最近は、さらに体重が増えた為か、
ポジショニングの成功率は非常に高いものとなっている。

---------------------------------------------------

このように、私は日々の満員電車内で、
少しでも体力を温存し、また快適な時間を得るために、
ポジショニングと椅子取りゲームに励んでいる。

だが、これが本来の人間のあるべき生活であろうか?

首都移転が進まない現在、
満員電車がすぐに無くなるとは思えない。
それならば、
せめて、つり革の数をシートの定員数と同じにして、
隣の乗客に席を奪われるといった、
余計な気を使わずに済むようにして欲しいものだ。

つり革の数の方が多いのは、
より多くの人につり革につかまらせてやりたいという、
鉄道会社の親切心から来ているのだろうが、
それが返って新たな争いとストレスを発生させている。

つり革を増やすよりも、車両を増やしなさい、車両を!

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

流音弥
2003年6月23日

←読み物ナビ・フレームトップページ